感謝の気持ちは「手間暇」にあります。
人の手がかかっているということは、時間と労力がかかっているということです。
感謝の気持ちは、費やされた手間暇を想像してみることで湧いてきます。
手書きの手紙をもらったとします。
さらっと読んで終わりとなりがちですが、そこに費やされた手間暇を想像してみてください。
手書きということは、手で一文字ずつ書いたということです。
プリント印刷とは違い、手間暇がかかります。
その人が、机に向かい、ペンを持ち、あなたのことを思い浮かべ、言葉を選びながら手紙を書いている様子を想像してみてください。
わざわざ貴重な時間を割いてくれてありがたいと思えてくるようになります。
親が作った手料理があるとします。
「おいしそう」「早く食べたい」と思うところですが、まずそこに費やされた手間暇を想像してみましょう。
親はスーパーに行き、食材を買い、大きな買い物袋を持って帰宅しました。
わが子のために、栄養バランスを意識しながら作ったことでしょう。
火加減を気にしたり、包丁を持って具材を切ったり、味をチェックして調味料を加減したりなど、さまざまなことに注意しました。
料理本や料理サイトを参考にしながら作ったかもしれません。
そうした手間暇を想像すると「なんてありがたいのだろう」と思えてきます。
恋人から手編みのマフラーをもらったとします。
「ありがとう」とお礼を言うだけになりそうですが、そこに費やされた手間暇を想像してみましょう。
買ってプレゼントすればいいところを、わざわざ手編みでプレゼントしてくれました。
一つ一つ編み込んで作るのは、大変だったに違いありません。
時間と労力が相当必要で、完成までに何日もかかったはずです。
「喜んでもらえるといいな」と思いながら、一つ一つ編み込んでいったでしょう。
仕事が終わった後、眠い目をこすりながら夜遅くまで少しずつ作ったものかもしれません。
恋人が手編みしているところを想像すると、感謝を通り越して感動するのです。
簡単そうに見えることでも、少なからず手間暇がかかっています。
そこに費やされた手間暇を想像すると、どんな人でも必ず感謝の気持ちが湧いてきます。
つい手を合わせたくなるのです。