私たちが最も注意を向けるのは、1位です。
最上位であり、それより上がありません。
とにかく1位は目立ち、きらきら輝きます。
1位はスポットライトが当たって目立つ一方、2位以下は影に隠れて注意が向きにくい傾向があります。
「まさか」と思いますが、これは無意識のうちに起こります。
たとえば、日本で最も高い山といえば何でしょうか。
そうです、富士山ですね。
日本人なら、とっさに聞かれても答えられる人がほとんどでしょう。
では、2位・3位の山は答えられるでしょうか。
スムーズに答えられる人は少ないことでしょう。
日本で最も長い川といえば何でしょうか。
そうです、信濃川ですね。
では、2位・3位の川は答えられるでしょうか。
やはり2位・3位となると、答えられる人が少なくなるはずです。
私たちは知らず知らずのうちに2位以下をスルーする傾向があります。
注意が向かないと、なかなか覚えることもありません。
無自覚に起こることですが、そうした意識の偏り傾向があることに気づいてください。
さて、本題はここからです。
「へえ、なるほど」と思ったあなた。
納得して終わりにしてはいけません。
1位を見るのはいいですが、2位以下が視界に入っていません。
結果として、視野が狭くなっています。
この「無自覚の注意の偏り」が、いつの間にかあなたの心の視野狭窄を引き起こしています。
これはよくありません。
1位は素晴らしいですが、その限りではありません。
2位・3位も素晴らしいことに変わりありません。
きちんと意識を働かせ、2位以下を見るようにしてください。
もちろんすべてを見るのは大変ですが、トップスリーは入れておいて損はないでしょう。
1位だけ注意を向けるのではなく、2位・3位にも注意を向けましょう。
日本で標高1位は富士山、標高は3776メートルです。
日本で標高2位は北岳、標高は3193メートルです。
日本で標高3位は奥穂高岳と間ノ岳、標高は3190メートルです。
日本で最も長い川は信濃川、367キロメートルです。
日本で2番目に長い川は利根川であり、322キロメートルです。
日本で3番目に長い川は石狩川、268キロメートルです。
1位も素晴らしいですが、2位・3位も十分素晴らしいことがわかりますね。
オリンピックでは、金メダルの人に注目が集まりますが、銀メダル・銅メダルの人にも注意を向けて拍手を送りましょう。
わずかに手が届かなかっただけのことであり、銀メダル・銅メダルの選手も大変素晴らしい成績です。
知らず知らずのうちに自分の視野が偏っていることに気づいてください。
1位に注目するのはもちろんですが、意識して2位や3位にも注目しましょう。
これが、心の視野狭窄の改善です。
1位だけ見る癖があると、視野が狭くなります。
2位以下にも注目すると、視野が広くなります。
2位以下に注目するのは、視野を広げる習慣です。