アンティークを持つときは、自然と扱い方が丁寧になります。
傷ついたら大変です。
落として壊れたら大変です。
片手ではなく、両手で包み込むように持つでしょう。
置くときも使うときも、ゆっくりした動作になるでしょう。
貴重なアンティークであればあるほど万一があってはいけないと思い、注意をして扱うようになるでしょう。
大事なものですから当然ですね。
世界に1つしかないアンティークなら、なおさら慎重な扱い方になるはずです。
ところが人間関係となると、これと逆のパターンになることが多い。
貴重な存在にもかかわらず、無遠慮になることが少なくありません。
たとえば、家族や親友です。
「親しいのだから、お礼なんて言わなくてもいいだろう」
「少しくらい言葉遣いが悪くても、許してもらえるだろう」
「長年の付き合いだから、少しくらい約束を破ってもいいだろう」
親しい人間関係となると、態度や言葉遣いが乱暴になることが多い。
約束事についても緩みやすい傾向があります。
世界で唯一であり、貴重な存在という点は、陶器も人間関係も同じです。
家族や親友は、いわばアンティークです。
もちろん親しい関係ですからある程度フランクに接するのは当然ですが、ここで礼節まで失う人がいます。
これはよくないのです。
礼節を失った態度になると、不和の原因になります。
どきっとした人は要注意です。
親密な関係であっても、丁寧を意識しましょう。
配慮や心遣いが大切です。
家族や友人もかけがえのない大事な存在なのですから、大事なものを扱うのと同じように、両手で包み込むように接してください。
ちょっとしたことでも心を込めましょう。
特に大切にしたいのは「礼節」です。
どれだけ親しい間柄であっても、最低限の礼節は心がけましょう。
会ったときは、笑顔で挨拶をします。
お世話になったときは、きちんとお礼を言います。
自分に非があるときは、素直に非を認め、謝ります。
お願いするときは、頭を下げて「お願いします」と言います。
約束事は、小さなことでもきちんと守ります。
どれも当たり前のことですが、省いたり無視をしたりしないことです。
大切な人は、アンティークだと思うようにしてください。
親しい関係だから、無遠慮になるのではなく、むしろ配慮を心がけましょう。