あなたができないことは何ですか。
「運動が苦手で運動センスはゼロ」
「数字を扱うのが苦手で簡単な暗算もダメ」
「音痴の極みでまともに歌を歌えない」
「機械に弱くて簡単な組み立てすらできない」
「料理が苦手で簡単な調理さえできない」
人間は不完全な生き物です。
すべての人に、何らかの不得意があるでしょう。
不得意の中でも、とりわけ大の苦手でまったくできないこともあるでしょう。
世の中に完全な人間はいません。
できないことがあるというのは、ある意味で「人間らしい」と言えます。
さて、できないことがあるならそれは仕方ありません。
できないことをできるようにしろと言うつもりもありません。
できないものはできません。
短所を克服することに使う労力があるなら、長所を伸ばすことに使うほうが賢明です。
大切なことは「それができる人を尊敬する」ということです。
自分にできないことができる人がいれば、素直に尊敬してください。
たとえば、自分は運動が大の苦手である一方、スポーツ万能な人がいるとします。
「スポーツが上手だね」と普通に思うのではありません。
「すごい! 素晴らしい! かっこいい! 頭が上がりません! 恐れ入りました!」
かしこまるのです。
心から感心して、しっかり敬ってください。
自分にできないことができるのですから、尊敬に値します。
尊敬の念は、スムーズな人間関係に大切な働きをもたらします。
スポーツに限ったことではありません。
あなたがITに弱いなら、ITに強い人を尊敬しましょう。
あなたがピアノを弾けないなら、ピアノが弾ける人を尊敬しましょう。
あなたが人付き合いの苦手な人なら、人付き合いが上手な人を尊敬しましょう。
その人を認めるのはもちろんですが、さらに尊敬するのです。
素直に素晴らしいと褒めたたえ、頭を下げるような気持ちになることです。
年齢も性別も関係ありません。
たとえ年下であっても、自分にできないことができる人には尊敬しましょう。
自分にできないことができるのなら、その分野に関しては先生です。
年下であっても、尊敬すれば、年上や先輩のように感じるでしょう。
少しくらいできない点やだらしない点があっても「まあいいか」と思えるようになります。
その人に嫌なところがあったとしても、尊敬の念を持てば大丈夫です。
「この人には素晴らしい長所がある」と思えるようになります。
その人に対する嫌悪感や苦手意識が小さくなり、受け入れられるようになります。
尊敬の念は、対人関係をよくするコツなのです。