これは旅行をしている人によくありがちな話です。
たとえばニューヨークに旅行し、美術館に行ったと自慢している人に限って、地元にある美術館は未体験です。
ニューヨークという名前の響きだけに引かれて、ニューヨークの美術館に行ってきたと自慢しているのです。
それに対してニューヨークから旅行に来ている人は、自分たちが地元で当たり前だと感じている美術館に足を運び楽しんでいます。
地元に住んでいる人は、近場にある当たり前の美術館であるだけに特に気に留めようとしないのです。
人間とは不思議な生き物で、どうも幸せや楽しみをわざわざ遠くへ求めようとする変な癖があります。
本当は目の前にあっても、わざわざ遠いところへと求めに行くのです。
ディズニーランド近辺に住んでいる人は、ディズニーランドへ行ったことがない人が多いのもその典型です。
それは近場にあるだけにいつでも行ける気持ちが働き、そんな近場にあるものだから特別価値があるものだとも考えていないのです。
日本国内どころか海外からわざわざ遊びにやってきている人がいるというのに、地元に住んでいる人は案外と白けたものなのです。
これらは美術館やディズニーランドに限った話ではなく、人生の楽しみすべてに対して言えることです。
今あなたは友人がいてくれることが当たり前で、感謝するのを忘れてはいませんか。
今あなたは、健康であることが当たり前で、体を大切にすることを忘れていませんか。
今あなたは、両手両足があることが当たり前で、物をつかんだり、歩いたりできることが当たり前だと思っていませんか。
外国に友人がいることがすごいことではありません。
また力持ちであることが健康であるということでもありません。
ただ普通に身近に友人がいて、五体満足に生きている当たり前の状態こそ、一番の幸せであることに気づくことが必要なのです。
遠いところへ幸せを求めるより、まず身近なところにある幸せからしっかり気づくことが大切なのです。