仕事で失敗したとき、どう責任を取るか。
責任の取り方は、自分の行く末を決める、重要なポイントです。
よく見られるのは、職から退くことで責任を取ろうとする方法です。
「失敗をしたのだから責任を取らなければいけない。仕事を辞めることで責任を取ろう」と考えます。
業務なら、離れます。
取引なら、担当から外れます。
プロジェクトなら、辞任します。
自分がいなくなった代わりに、別の人間が担当します。
失敗を犯した人間が職に残るのは不適切という考えもあるでしょう。
過ちを犯した人の顔なんて誰も見たくないだろうと、周りに配慮する気持ちもあるのかもしれません。
自分の地位を失うことで責任を取るスタイルは、たしかに責任感があると言えるのかもしれません。
責任を取るには、職を退くのが一番適切と考えがちです。
しかし、本当にそうでしょうか。
あらためて考えるとおかしな話です。
責任を取るために職から退く様子は、客観的に見て、仕事から逃げているように見えます。
辞めるなら簡単です。
「辞めます」という一言を言って、その場から立ち去ればいいだけです。
最も簡単な方法であり、知恵も工夫もありません。
面倒で難しいトラブル対処は、次の担当者に任せればいいだけです。
失敗がきっかけで仕事を辞めてしまうと、せっかくの教訓が生かされません。
失敗するたびに、責任で職を退くなら、極度に失敗を恐れることになります。
失敗ができないなら、保守的な姿勢になるでしょう。
挑戦的な仕事もできなくなります。
急な担当者の変更は、引き継ぎも発生して手間暇がかかります。
職を退くしかない状況もありますが「職を退く」という責任の取り方は、本当に最後の手段です。
では、どうするのがよいか。
社会人として失敗の責任をきちんと取るなら、職務を全うすることに尽きます。
職から逃げるのではなく、むしろより誠実に対応するのです。
失敗した本人が仕事に残ると、再び失敗しやすくなるように思えますが、誤解です。
実は、失敗した直後のほうが仕事はうまくいきます。
失敗した直後ほど、深く反省しているタイミングはありません。
しっかり反省しているため、同じ失敗が起こらないよう、より慎重になって精度が高くなるでしょう。
失敗を経験したなら、状況の一部始終を知っているので、教訓を生かしながら対応できるはずです。
反省しているからこそ、仕事の結果を通して責任を果たすことが大切です。
「次こそ必ず成功させる」という気持ちも、ひとしお大きいはずです。
失敗したから辞めるのではありません。
失敗したから続けて頑張りましょう。
仕事でより良い結果を出すことが、最高の責任を取り方です。