あなたの前には、大きな壁が立ちはだかっているでしょう。
高い壁なら、跳び越えられません。
分厚い壁なら、叩いても壊せません。
明らかに突破は不可能とわかるなら、わざわざ壊そうとも思いません。
時間や体力の無駄が明らかなら、悪あがきすら無駄な行為と思ってしまいます。
「こんな大きな壁なら、どうあがいても突破するのは無理だ」
諦めて引き返そうと思うかもしれませんが、ちょっと待ってください。
目の前にある壁は、そもそも本当に壁でしょうか。
ぶつかるのを覚悟の上、思い切って壁に向かって突撃してみましょう。
体当たりです。
ぶつかるかと思いきや、不思議なことが起こります。
するりと壁を突き抜けてしまうでしょう。
気づけば、壁の向こう側に移動できているはずです。
もちろん痛みも衝撃もなく、無傷です。
目の前に立ちはだかっていた壁は、本当の壁ではありませんでした。
自分が作り出した幻でした。
人間には「想像」という能力がありますが、時と場合によっては、よからぬ方向にエスカレートすることがあります。
不安や恐怖が大きいと、想像が妄想に変わり、次に妄想が暴走して、実在しない幻を生み出すことがあります。
いつの間にかありもしない壁を作り出し、本物と見間違えていることがあるのです。
行き止まりではありません。
行き止まりに見えるだけです。
無意識のうちに、少し妄想が悪い方向に走っているだけです。
壁があるからといって、諦めないことです。
高くて分厚くても、それが本当の壁なのか、きちんと確かめましょう。
私たちは、勝手に妄想の壁を作り出し、勝手に諦めています。
貴重なチャンスをいくつも失っていることに気づくことです。
本当に壁なのかどうなのか、体当たりするまではわかりません。
妄想の壁なら、どんなに高くて分厚くても恐れることはありません。
壁を壊すどころか、あっけなく通り抜けてしまうかもしれないのです。