テレビを見ていると、アナウンサーやタレントの気の利いた一言に、感心することはありませんか。
とっさに出てきた話題に対して、絶妙な言葉で言い返し、場を盛り上げます。
「何て頭の回転が速いのだろう。うまい言葉をよく知っているなあ」と、尊敬したり感心したりします。
そうした様子を見て「すごいな」と思う反面、不安になることはありませんか。
「自分もあのくらい、うまい言葉がさっと言えるようにならないといけないのかな」と思います。
たしかに気の利いた言葉を言ったほうが、会話に弾みがつくでしょう。
相手の心をキャッチした言葉のほうが、相手に喜ばれます。
しかし、彼らがスムーズに気の利いた言葉が言えるのは、秘密があります。
事前に言葉を考えたり、リハーサルをしたりするおかげです。
本当に実際に、その場でぱっと思い浮かぶ人は、ほとんどいません。
本当に気の利いた言葉が、いつでもすぐ出る人は、天才です。
では、どうすればいいのでしょうか。
気の利かない言葉を言うのを、諦めてしまいましょう。
天才だけができることですから「自分には無理だ。普通に話をしよう」と考えます。
その代わりきちんと相手の会話を聞きます。
自分が思ったり考えたりしたことを、自分の言葉で、素直に表現しましょう。
すると、不思議なことが起こります。
自分では気の利いた言葉を言うつもりはなくても、相手からは気の利いた言葉に聞こえてくるものです。
会話をきちんと聞いてから返事をすると、自然といい言葉が出ます。
「いいことを言うね」と思われ、喜ばれるのです。