繁華街を歩いていたときのことです。
「落とし物をされましたよ」と、親切に話しかける男性を見かけました。
どうやら前を歩いている女性のカバンから、物が落ちたようです。
気づいた男性が親切に拾い、持ち主である女性に教えていた様子でした。
人間ですから、誰にでもうっかりはあります。
そこまでよかったのですが、その後が変でした。
落とし物を拾ってもらった人に「すみません。すみません」と、何度も言っていたのです。
「すみません」と言われた男性も、返事に困っている様子でした。
「すみません」は、謝るときに使う言葉です。
「手間をかけてしまい申し訳ない」という気持ちはわかりますが、ひどく迷惑をかけたわけではありません。
こういうときには、素直に「ありがとうございます」というのが正解です。
当たり前の言葉遣いでも、誤った使い方になっていることがあります。
正しい人間関係は、正しい言葉遣いからです。
お礼を言う場面の口癖を、振り返ってみましょう。
お礼を言う場面で、謝っていませんか。
恐縮すると、相手も恐縮してしまいます。
お礼を言うときには「すみません」ではなく「ありがとうございます」です。
「助かりました」という表情をしながら感謝すれば、もっと喜ばれます。
深く恐縮するより、まず明るく感謝を伝えましょう。