人には「言葉」というコミュニケーション・ツールがあります。
人とほかの動物との進化を大きく分けた原因の1つは「言葉の発達」です。
私たちがこれほど豊かに進化できたのは、言葉のおかげです。
しっかり謝れる人は、かっこいい人です。
なかなか自分のプライドが邪魔をして、謝れない人がいます。
謝ることができない人は、子どもです。
「お願いします」は、夢を叶えるおまじないです。
誰でも叶えたい希望というのがあります。
希望や好きなこと、したいこと、それらの究極は「夢」です。
「なるほど」とは、相手の意見を受け入れる言葉です。
相手の意見を聞いて、自分の中に取り込むことが大切です。
いろいろな人から、いろいろな価値観を学ぶということは、自分の器を大きくすることに比例します。
「そうだね」は、相手の話を前に進める魔法の言葉です。
自分の話に「そうだね」と言われると、もっと話したくなります。
「自分の話を聞いてくれている。受け入れてくれている。もう少し話してみよう」と思います。
話を前に進めるためには「それから?」と言えばいいだけです。
これは「もっと話を聞きたい」という意思表示です。
「それから?」ということで、相手はさらに奥深い話をしてくれます。
「もう仕方なくって、家に帰っちゃった」
「そう、それでいいんだよ」
こうした会話をすると、相手はほっとします。
私は、先日、友人に嬉しいことを言われました。
「タカ、また本を書いたの。すごいね。その調子!」
嬉しくなりました。
「大丈夫」には、2つの意味があります。
「けがしちゃって、大丈夫?」と言う相手を心配する意味と「まだまだ大丈夫だよ」という自分の丈夫さを表現する意味です。
両方で使うといいです。
相手の話を聞きながら、相手に好感を持ってもらう一言があります。
「へえ」です。
相手が一生懸命話しているのに「知ってるよ」とか「なんだ、そんなことか」と言うと、相手をがっかりさせるでしょう。
相手に話しかけるときには、謙虚になることが大切です。
偉そうに話しかけてくる人には、よい印象は持ちません。
謙虚に「すみません」と言って、話しかけましょう。
「もっと」という言葉は、大きなパワーが込められた一言です。
しかし、使い方1つで、人を偉人にさせ、一方で人をダメにさせてしまう言葉です。
「もっと話が聞きたい」
「いいんじゃない?」と言われると、やる気が出てきます。
「何かをやりたい」と思うときに、もう1つ、勇気づけてもらいたいものです。
最初から自分に自信満々という人はいません。
「うん」と言うときは、うなずいています。
うなずいているときは、承諾を意味しています。
「うん」という一言は、相手の話に了解すると言う意味です。
「……」
これほど強力な魔法の言葉はありません。
使い方しだいで、武器にも防具にもなり、諸刃の剣です。
「もし」は面白い言葉です。
「もし」には、2つの意味があります。
創造力をアップさせるおまじないとしての使い方と、友人のことをもっと知るための使い方です。
「なぜ」を使うと、話の奥が深くなります。
自分に対して使ってもいいし、他人に使ってもいいでしょう。
「なぜなんですか?」と聞くと、相手はそのわけを話してくれます。
これは「なるほど」と「そうだね」を1つにした応用です。
基本的な魔法の言葉を紹介するのが、この本の趣旨です。
ですが、この2つを1つにして覚えておくと、人付き合いが上手になりますから思い切って紹介します。
アメリカはレディーファーストの社会です。
私はレディーファーストが好きです。
レディーファーストは、する側もされる側も気持ちいいです。
毎日は、朝昼晩の繰り返しです。
毎日は、1日の繰り返しです。
1日は、朝に始まり、夜に終わります。
褒め言葉は、人間関係の大切な潤滑油です。
「すてきだね」は、褒めるときの言葉です。
褒めるときには「いいね」とか「すごいね」と褒めることがあります。
話すときは、常にライブです。
そのときに思いつき、そのときに話します。
練習のない会話だからこそ、奥が深く、面白いわけです。
「あのね……」と言われると、どきっとします。
つい「え、何を話すんだろう」と耳を傾けてしまいます。
私が中学生のとき、女の子に告白をするときも「あのね……」から始まりました。
プライベートな言葉です。
これが使えるようになれば、仲のいい友人の仲間入りです。
普通プライベートなことは、誰にでも話せることではありません。
会話では、本とは違い、どこが大切な部分なのかわかりにくいときがあります。
本では大切な部分が太字で書かれていたり、大きく書かれていたりしているため、見てすぐわかります。
それに対し、会話では、声の強弱程度でしか意味の強さを表現できません。
「実は」の「実」というのは、果物の「実」のことを言います。
果物で一番おいしいところは「実」の部分です。
会話の一番おいしい部分は「実は(じつは)」と日本語では表現します。
これは、相手との距離を近づけるための魔法の言葉です。
私は留学時代に、仲のいい女友達から「タカと私って、似ている部分が結構あるよね」と言われました。
その人とは、考え方が似ている部分があると、以前から感じていました。
これは気合を入れるための魔法の言葉です。
朝起きたときや仕事を始めるとき、新しいことに挑戦するときなどには、気合を入れることが大切です。
なかなかうまく気合が入らないときは、意識して「よし」と言ってみましょう。
日本人は、占いや相性、血液型やおみくじが大好きです。
やはり何か、神秘的な力が欲しいのでしょう。
そんなときには「おまじない」という言葉を使ってみましょう。
相手の存在に感謝したいときのとっておきの一言は「もっと早く出会いたかったね」です。
相手への感謝の気持ちを、たった一言に圧縮している強力なおまじないです。
「たくさんの感動をありがとう。たくさん教えてくれてありがとう。わざわざ協力してくれてありがとう」