執筆者:水口貴博

箸の使い方の30のマナー

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素材の異なる箸を、使ってはいけない。

素材の異なる箸を、使ってはいけない。 | 箸の使い方の30のマナー

箸の使い方には、仏教の影響を受けているものが大半を占めています。

「素材の異なる箸を使ってはいけない」というタブーも、その1つです。

それくらいいいだろうと思うのですが、単純な話ではありません。

素材の異なる箸を使うのは、見た目に違和感があるというのは当然ですね。

実はこのほかにも、重要な意味が含まれています。

仏教では、死者を火葬した後、骨を骨壺に入れます。

地域にもよりますが、一般的にわざと素材の異なる箸で骨をつかみ、骨壺に入れます。

一般的には、木と竹の箸を一対にして使うことが多いようです。

なぜ、わざと異なる箸を使うのでしょうか。

2つの深い意味が込められています。

  1. 慌てたことを表現するため

通常、身内がなくなるというのは、大変ショックの大きい出来事です。

動揺して取り乱すのが普通です。

そういう場合、逆に箸がそろっているのは不自然です。

「箸が揃っているかどうかも気づかないほど、動揺している」

動揺したショックを受けていることを表現するために、わざと異質の箸を対にして使うのです。

  1. この世とあの世を区別するため

素材の異なる箸を使うことは「この世とあの世を区別する」という意味があります。

骨をつかんでいる人は生きていますが、箸でつかんでいる骨は死んでしまった人です。

骨をつかんでいる人まで、つられて死を招いてしまわないよう、わざと異質の箸を使うとされています。

さて、これで異質の箸を使ってはいけない理由がわかりましたね。

もちろん火葬の際なら異質の箸を使うのはいいのですが、食事の場ではタブーです。

死を連想させるため、大変縁起が悪いのです。

箸の使い方のマナー(25)
  • 同じ素材の箸を使うようにする。
箸を持ったまま、他の器を持たない。

箸の使い方の30のマナー

  1. 箸で人を指さない。
  2. 何を食べようかと、箸を皿の上で迷わせないこと。
  3. 箸で器を引き寄せないこと。
  4. 器の上に、箸を置かない。
  5. 箸で器を叩かない。
  6. 箸から箸へ、食べ物を渡してはいけない。
  7. 食べ物を、箸で突き刺さない。
  8. 一度箸で取ったものを、食べずに器に戻さない。
  9. 食べ物の汁を落としながら食べない。
  10. 吸い物の中身を、箸でかき回さない。
  11. 箸を使って器の中身を探らない。
  12. 吸い物の中で、箸を洗ってはいけない。
  13. 箸先をかじらない。
  14. 箸を持ったまま、おかわりをしない。
    おかわりをしたご飯を、すぐ食べない。
  15. 箸を振り回さない。
  16. ご飯に、箸を突き刺さない。
  17. 箸を使って、口の中いっぱいに食事を押し込まない。
  18. 箸を握らない。
  19. 拝むように、両手で箸を挟まない。
  20. 箸先を、なめない。
  21. 器に口をつけたまま、料理を箸でかき込まない。
  22. 大皿の料理を、自分の箸で取らない。
  23. 箸を、つまようじの代わりにしない。
  24. 2人一緒に、同じ器の料理を挟まない。
  25. 素材の異なる箸を、使ってはいけない。
  26. 箸を持ったまま、他の器を持たない。
  27. 箸を、スプーンのようには使わない。
  28. 割り箸の木くずを取るために、箸をこすり合わせない。
  29. 口や器を使って、箸の先を揃えない。
  30. 箸を、ナイフとフォークのようには使わない。

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