信用というのは、初めは「ゼロ」の状態から始まります。
あなたが、パートナーと初めてあったときのことを思い出しましょう。
まだお互いの名前も知らないような初対面から挨拶を交わすような状況です。
おそらく「初めまして」という軽い挨拶から始まったことでしょう。
「こちらが挨拶をすれば、相手も挨拶してくれるだろう」
そういう期待から先に挨拶をして、期待どおり、相手も挨拶を返してくれたはずです。
この瞬間、わずかではありますが「信用」できるようになりました。
小さな信用です。
これはどういうことかというと、期待していたとおりの行動を相手がしてくれたことで「信じられる」と思えるようになりました。
まだほんの小さな信用ですが、これが信用の始まりです。
その後、真剣なお付き合いが始まり、ある日、約束の待ち合わせ場所を決めることがあったはずです。
あらかじめ約束の場所に、約束どおりの時間に相手がきちんと来てくれました。
その瞬間「約束を守ってくれる人だな」ということがわかり、さらに信用ができるようになりました。
「約束を守ってくれる人だ」
「自分に危害を加えない人だ」
「裏切らない人だ」
何度もデートを重ねていくうちに、次第に信用が大きくなります。
さて、こうした状況を客観的に見てみましょう。
初めはゼロだった信頼関係は、どう増えていったでしょうか。
「こちらが挨拶をすれば、相手も挨拶をしてくれるだろう」という部分を思い出しましょう。
最初は「期待どおりの行動をしてくれるだろう」という推測から始まります。
期待どおりの行動をしてくれたことで、小さな信頼が出来上がりましたね。
信頼関係の構築は、相手が期待するとおりの行動をしてくれたことで、できるものです。
挨拶も、お礼も、マナーも、言葉遣いも、それらは型ではありますが、信頼関係を築くために必要です。
礼儀のいい人が信用されやすいのも、期待どおりの行動をしてくれやすいからです。
相手が思っているとおりの行動をあなたがすることで「信用できる。これなら仲良くやっていけそうだ」と思います。
夫婦関係での信頼も同じです。
いえ、夫婦になってからのほうが重要です。
夫婦になるくらいですから、ある程度の信頼関係はすでにあるはずですが、さらに強い信頼関係はこれからです。
何の根拠もなく「もっと私のことを信じて」といきなり言っても、難しい注文です。
本当に自分のことを信用してもらいたければ、夫に信用してもらえるような行動を、自分から先にします。
夫は妻が期待するような行動を取ることで、妻からの信用はさらに大きくなります。
なれなれしい仲だから嘘をついてもいいというのは、大間違いです。
嘘はつかずに、相手の期待どおりに行動をすることです。
その繰り返しです。
淡々と相手の期待に応える行動をすることで、だんだん信用が強くなります。
言っている言葉の重みが強くなり「愛している」という一言ですら、感動的な言葉へと変わります。