子どもが将来大人になるために、できるだけ小さいころから、お金について勉強することが大切です。
「子どもが使うと無駄遣いをして、すぐ使い果たすだろう」と思う親がいます。
そんなことはありません。
むしろ子どもにお金の失敗を経験をさせることで、お金の勉強ができるのです。
お金で苦しい経験をしておかないと、大人になってから苦労します。
私の家庭では、誕生日にもらったお金やお年玉、お小遣いなどは、すべて自分だけで管理を任されました。
まだお金のことをよく知らない子どもにとって、大金を任されるというのは大きなことです。
まず私は、通信販売にまんまとのめり込みました。
「字がきれいになるペン字講座」や「痩せるための薬」など、かなり試しました。
親はそれを見ながら「あんた、また無駄遣いして。そんなの効くわけがないでしょ」と言います。
小さい子どもである私は、書いてあることは何でも信じてしまっていました。
どのくらいお金を使ったのでしょう。
数十万のお金が飛んでいきました。
しかし、その数十万に見合うだけの効果は、得られませんでした。
ただし、数十万に見合うだけの「金銭的な痛み」は味わいました。
母の言った「そんなの効くわけがないでしょ」が、そのときになって初めてわかります。
私にとって、小さな子ども時代に数十万のお金の痛みを味わえたことは、貴重な経験でした。
金銭感覚は、本をたくさん読んでも身につきません。
金銭感覚は、金銭を使って磨くしかないのです。
私の親は、実際に子どもにお金を持たせることで、あえてお金で失敗させて、金銭感覚を磨いてほしいと思っていたのです。
子どもからお金を取り上げずに、わざとお金を持たせて痛い経験をさせていたのです。