夫婦に亀裂が入っているとき、まず考えるのが「夫婦で過ごす時間を増やすこと」です。
事実、離婚の危機に立っている夫婦ほど、一緒にいる時間が大変短いです。
一緒にいる時間を増やせば会話も増え、仲直りのきっかけになるだろうと思います。
たしかに一緒にいる時間を増やせば、コミュニケーションが自然と増え、お互いの理解を促す効果があります。
夫婦が仲良くて、いつも一緒にいたければいいでしょう。
一緒に旅行に出かけたり、共通の趣味を楽しんだりするのは素晴らしいことです。
「自然」にそうなるならいいですが「無理」にそうさせようとするのは、逆効果です。
「そうしなければならない」という義務として考えてしまうと、夫婦生活はぎくしゃくし始めます。
夫は夫婦としての体裁のために、やりたいことを制限し、夫婦で行動しようとします。
妻も夫婦としての体裁のために、やりたいことを制限し、夫婦で行動しようとします。
無理をして「夫婦」という形にとらわれると、いつも同行が義務になります。
「夫婦だから一緒にいなければならない」という義務で行動すると、窮屈さを感じ、ストレスになります。
夫婦らしい形を追い求めた結果、夫婦関係が悪くなる矛盾。
なかなか難しい問題です。
こういうときはどうすればいいか。
お互い、自分の趣味に熱くなればいい。
「週末だから夫婦で共に行動して過ごさなければいけない」という義務から解放されることです。
一切忘れてかまいません。
夫は釣りが好きなら、週末は釣りに出かけます。
妻も週末は、好きな習い事や教室に通って、自己研さんをするのもいいでしょう。
別々の行動でいい。
自分の時間が充実するからこそ、パートナーのことを考える余裕が生まれます。
お互いが趣味に没頭することで、自由が手に入り、心が充実し、夫婦間の適度な距離感を保てます。
そのとき、自然と一緒に行動したくなります。
大切なのは「夫婦らしい行動」ではありません。
「夫婦らしい心」です。
心が1つになっていれば、行動は別々でもいい。
「夫婦だから常に一緒に行動しよう」ではなく「夫婦という気持ちを持ちながら、お互いに充実しよう」ということです。
お互いが好きな趣味に打ち込みながらも、夫婦としては1つの心になっていれば、円満な夫婦関係を保てます。