お礼に関しては「お礼を言うこと」を集中的に教えがちです。
よその人に、親切にされたとき、親は子どもに「お礼を言いなさい」といいます。
別になんてことはない、当たり前のことですね。
しかし、これだけでは足りません。
お礼を言わせることばかりを押し付けると、親切をされたらお礼をするという義務的な作業になりがちです。
条件反射になります。
条件反射も1つの技能ですが、お礼を「強制」や「義務」というイメージになってしまう。
「親切をされたら、感謝しなければならない」と心理プレッシャーを感じてしまう。
そうではありません。
大事な部分が抜けています。
「お礼を言われたときの立場」です。
子どもには、お礼を「言う立場」だけでなく「言われる立場」を感じてもらいます。
あなたがお礼を言われたとき、どう感じますか。
「ありがとう」と感謝されると、やはり嬉しく感じ、元気が出てきますね。
お礼を言われると「もっと親切にしよう。もっと喜ばれたいな」という気持ちになります。
この気持ちのよさを、子どもにも体感してもらうのが一番です。
誰かに喜ばれるというのは、充実感を得られることです。
誰かを助けたり手伝ったりした結果、子どもがお礼を言われる機会があれば、親はもう一言、そっと加えてあげましょう。
「お礼を言われると気持ちいいね」です。
すると、子どもはお礼を言われる気持ちよさを再認識できます。
どれだけ嬉しい気持ちになれるのかがわかると「ありがとう」という言葉に対して抵抗感が小さくなります。
お礼を言われて気持ちのよさがわかると、今度は自分もお礼を言いたくなります。
積極的に感謝ができる子どもへと育っていくのです。