「お前が悪いんだろう」
「違う。お前のほうが悪い!」
子どもの口喧嘩では、お互いに「自分の立場のほうが正しい」という考えで対立する場合があります。
自分が一番大切ですから、自分の立場から見ると、少し自分よりの考え方になってしまいます。
場合によっては、口喧嘩では済まず、相手を叩いたり蹴ったりする暴力行為に発展することもあります。
往々にして、子ども同士の喧嘩と言えば、大人の仲介です。
喧嘩している2人の間に割り込んで、何があったのかを聞き出します。
親が一方的に判断して「あなたが悪い。謝りなさい」と無理やり解決させようとします。
親の判断は正しいのかもしれませんが、大事なことが抜けています。
子どもの力で解決させようとする機会を奪っています。
子どもたちの喧嘩に、親がすべて解決させようとするのは親切なようで、実は不親切です。
親が何でも仲介していると「喧嘩をすれば親が何とかしてくれるだろう」と思い、自分で解決しようとしなくなります。
もちろんある程度の仲介は必要ですが、一から十まですべてをフォローするのはよくありません。
解決の突破口へ「導く」まででいい。
親は解決への導き役です。
親の仕事は、子どもたちのトラブルを解決するために導くだけです。
親が一方的に解決させるのではなく、この問いかけを子どもたちに考えさせて、自分の力で解決させるようにします。
では、どうすれば子どもたちで解決できるようになるのでしょうか。
いい言葉があります。
「自分がされたら、どんな気持ちになる?」という問いかけです。
往々にして、自分の立場でしか物事を見ていないから、考え方が偏ってしまいます。
自分の考え方・立場・見方に執着することで客観視ができなくなり、なかなか解決しなくなる。
あらゆる対人関係によるトラブルは、まず相手の気持ちになって考える必要があります。
相手の立場になって考えると、自然と解決します。
口論や喧嘩をしている子どもたちがいれば、大人はそれぞれの子どもに問いかけてください。
「自分がされたら、どんな気持ちになるのか」と。
すると、子どもは自分の身になって考え始めます。
あらゆることは「自分がされたらどう感じるだろうか」と考えれば、おのずから自然な答えが出てきます。
お互いが悪いのかもしれないし、本当に一方的に悪いのかもしれません。
少し時間を置いて頭を冷やしてから考えると、その効果も倍増です。
相手の立場になれば、自分の考え方に偏りがあることに気づき、相手を許そうとする気持ちも生まれてくることでしょう。
できるかぎり子どもたちの力で仲直りさせます。
これは練習です。
自分の感じ方と、相手の感じ方の両方を考えることで、より視野の広い子どもへと育ちます。
相手の立場になるのが解決への糸口なのです。