まだ幼いころ、母から「人は人。自分は自分」という言葉をよく聞かされました。
この言葉に何度救われたかわかりません。
10歳を過ぎれば、他人の成長が気になり始める時期です。
自分より、モテる人がいて羨ましく思い始めます。
自分より頭のいい人がいて、驚くことがあります。
自分よりスポーツのできる人がいて、生まれつきの運動神経に嘆いてしまいます。
そういう人が羨ましくなると同時に「それに比べてなんて自分は情けないのだろう」と思います。
どんな世界でもそうですが、上には上がいます。
上を見れば、切りがありませんね。
だからとはいえ、下を見ればいいのかというと、そうでもありません。
自分よりできない人を見下したり、侮辱したりするのは、卑屈な心になります。
では、こういうときどうすればいいのでしょうか。
子どもを元気づけるいい言葉があります。
「人は人。自分は自分」という言葉です。
つまり「他人は気にするな。自分に集中せよ」という意味です。
他人とむやみに比べるのはやめて、まず自分に集中し、自分なりの全力を出し切ることです。
大切なことは他人の成長に一喜一憂するのではなく、全力を出しているかどうかです。
全力なら悔いはありませんね。
自分は他人より上か下かは、全力を出し切っていれば関係ありません。
やるだけのことをやれば、たとえ負けても、気持ちのいい負け方ができることでしょう。
その結果、子どもの心が健全に育つようになります。
自分より、上手な人がいれば、尊敬できるようになります。
一方、自分よりできない人がいれば「先生」になることができるようになります。
素晴らしいことですね。
親は暗示をかけるかのように子どもに「人は人。自分は自分」と言って元気づけてあげましょう。
そういう心の習慣を持たせるようにするのです。