子どもをきちんと育てようとする父と母の間で、よくありがちな対立があります。
「教育論の違いによる対立」です。
おおむね父は厳しく育てようとする傾向があり、一方で母は優しく育てようとする傾向があります。
男性は一般的に「強さ」を身につけるため、過去に親から厳しく育てられた。
逆に女性は、優しさを身につけるため、過去に親から優しく育てられた。
もちろん必ずしもこのとおりとは限りませんが、おおむねそういう傾向が強いはずです。
男性には男性として育てられたプロセスがあり、女性には女性として育てられたプロセスがあります。
性別が違うので、親から受けた教育が違います。
父と母の教育論に、差があります。
その結果、子どもへの教育の差で、揉めます。
母が子に甘い教育を施しているのを見て「それでは甘えた子に育つ! もっと厳しく育てろ!」と言って、母に怒鳴る。
父が子を厳しく育てているところを見て「厳しすぎて子どもがかわいそう」と母は泣く。
父と母が求める教育のすれ違い、価値観の違いから喧嘩が起きてしまいます。
厳しく教育すべきか、それとも優しく教育すべきか。
父の教育と母の教育のどちらが正しいのか。
実のところ、両方が必要です。
むしろ教育の仕方が違っているからこそいい。
単に、父と母とで、教育する仕方が違うだけです。
父は厳しさを持って教えようとし、母は優しさを持って教えようとしている。
しかし、どちらも「子どものことを真剣に考えている」という根底部分は変わりありません。
子どもへの教育アプローチが違うだけ。
子どもがすくすく育つためには「厳しさ」も「優しさ」も両方必要です。
本来、父と母との教育観が違ってこそいい。
悩むところではなく、むしろ喜ぶべきことです。
厳しさから、忍耐や辛抱を覚えます。
優しさから、親切や丁寧さを覚えます。
子どもは両方の価値観から学べ、すくすく育つのです。