まだ1人で買い物ができないくらい幼いころは、家のことを親が全部してくれました。
子どもは、何もしなくてよかった。
たとえば食事です。
朝になれば、テーブルには朝食が並べられ、夕方には夕食が並べられました。
別に何の苦労もありません。
全部親がしてくれていたので「全部親がやってくれるもの」「食事はテーブルに並べられるもの」という甘えた意識があります。
しかし、そうではない。
家庭での食事は、当たり前に出るものではありません。
それまでには、努力・苦労・時間など「プロセス」があります。
父が会社で働いて、お金を稼ぐ。
母はそのお金で、買い物をする。
買い物で買ってきた食材を使い、栄養のバランスがよくなるように知恵を振り絞りながら、一生懸命に料理を作る。
子どもたちは食事をすることができています。
影で見えない努力をしている親がいます。
かわいい子どもだからいつまでも甘やかしたいところですが、よくありません。
子どもが本当にかわいいなら、そろそろ厳しくなる必要があります。
親だからとはいえ、いつまでも親が子どもの面倒を一から十まで見る必要はありません。
子どもたちへ本気の教育を施し始める時期です。
目安は、10歳前後です。
10歳前後になれば、子どもはある程度の分別がつき始めます。
自分で考え、判断し、自分の意思で行動できるようになるはずです。
そこで次のステップです。
家族運営に、子どもも参加をさせるようにします。
「家族とはチームワーク」という実感を持たせることです。
子どもたちに、食事は勝手に出るものではなく、父と母のおかげで食べていけているという理解をさせ、実感を持たせるためです。
家族の一員であることを実感させるためには、家族運営に参加をさせるのが一番です。
まずは、子どもにお買い物の手伝いをさせてみましょう。
子どもにお使いをさせます。
買ってほしい食材のメモだけを渡し、買ってこさせるようにします。
食材の分量まできちんと書いておきます。
そういう時間があると、いつも家で出る食事へのありがたみが湧いてきます。
なぜ父は朝早くから会社に向かうのかが理解でき、母の作る食事のありがたみがわかってきます。
食べている食材を、どこから手に入れているのかが理解でき、食事への感動が増えます。
家族運営に参加させることで、家族の結束が強まり、連帯感が生まれます。
お使いだけではなく、洗濯物の取り入れ、掃除の手伝い、ごみ捨ての手伝いなどもどんどんお願いしましょう。
家族というのは「大きな船」と同じです。
全員が協力して、進めていきます。
もちろんできる範囲からで結構です。
できる範囲のことからで、こつこつやらせるようにしましょう。
子どもは嫌がってもやらせるくらいでいい。
10歳にもなれば、子どもでも家族の力になります。
家族を支えているという実感を持たせるのです。