親は、自分の立場で考えすぎる傾向があります。
親には、叱るとき「これくらい厳しく言ってもいいだろう」と思います。
「本当にダメな子ね」
「ばか野郎」
「いい子にしないと家の外に追い出すよ」
子どもにとって恐怖や不安は、親が思っている以上に強く感じています。
怒るとき、叱るときなどは、恐怖や痛みを持ってわからせようとします。
たとえば「こら!」と言われたときを考えてみましょう。
精神的な強さを身につけている親に対して、まだ身につけていない子どもです。
子どもにとって「こら!」と怒鳴られたときの精神的ショックは、親が感じるショックよりはるかに大きなショックです。
悪さをしたお仕置きで、子どもを家の外に追い出したとします。
親には、別に家の外に出しただけと思います。
しばらく経てばドアを開けて、また家の中に入れてあげようと思います。
しかし、まだ幼い子どもには、家から追い出されるだけで強い疎外感を抱きます。
もう二度と家の中に入ることができないのではないかと思って、強い精神的ショックを受けます。
時にはトラウマになるほど心が傷つくこともある。
親はすでに世間の荒波を経験して、つらい言葉や精神的な強さを身につけています。
その自分を基準に「これくらい強く叱っても大丈夫だろう」と思ってしまう。
子どもは、親が考えるよりはるかに怯えやすい。
そういう親と子とで受ける精神的ストレスの違いを知っておくことです。