私は大学受験に失敗をして、浪人をした経験があります。
愛媛の田舎から東京に出たい一心で、東京大学を目指して勉強していましたが、ダメでした。
浪人の勉強スタイルは、自宅浪人でした。
当時は通いたかった大学に通えず、落ち込みました。
自分の人生が、音を立てて崩れ始めているのがわかりました。
しかし、自宅で浪人という経験をすることで、意外な発見がありました。
自分で自分をコントロールする機会が与えられました。
これまでの義務教育では、勉強といえば学校でした。
学校でカリキュラムや時間割などのスケジュールを立ててくれていたので、それに従うだけでよかった。
しかし、自宅浪人によって状況が変わりました。
学校に頼っていたカリキュラムやスケジュール管理を、すべて自分でしなければならなくなりました。
人生に関わるような本格的な計画を立てるのは、生まれて初めてでした。
失敗もたくさんありましたが、得られることもたくさんありました。
また、浪人をすることで、自分について考える時間や将来について考える余裕ができました。
家にいると、圧倒的に1人きりです。
友人といると流されてしまいがちですが、1人で考えていると、誰にも流されることなく、自分のペースで物事を考えられます。
勉強する以外に、自分や人生について真剣に考える機会になりました。
結果として、アメリカへ留学する道が切り開けました。
失敗をして遠回りをすることで、考えもしなかった道を歩むことになっています。
不思議な話ですが、あのときの受験失敗がなければ、今の自分は間違いなく存在しません。
もし、ストレートで大学に合格していれば、悩む機会は少なかったことでしょう。
自己管理は下手なままだったでしょう。
ましてや、アメリカに留学して数多くの異文化に触れる経験もなかったはずです。
失敗だと思えることも、後になって未来の成功につながっていることがあります。
人間万事塞翁が馬です。
何が幸で、何が不幸かは、今の時点では予測しがたいです。
今、あなたは不幸のどん底にいるかもしれません。
しかし、本当に不幸かどうかは、今はまだ決められません。
失敗をして通るであろう回り道が、意外な成功の道筋になる可能性があります。
今の失敗のおかげで、未来の成功のための踏み台になるのです。