センター試験を受け終わった直後「ああ、ダメだな」と思いました。
手応えで結果がわかり、すぐ浪人生活の準備に入りました。
学校を卒業する前から、浪人生活が始まっていたようなものです。
前もって自分の志望校や考え方を担任の先生や両親にも伝えていました。
おかげで卒業式を終えた後は、浪人生活がスムーズに開始できました。
浪人生活が始まる前に、しなければいけない大きな選択があります。
「浪人生としての生活スタイル」です。
私の場合、予備校に通わず、自宅で勉強するスタイルを選びました。
いわゆる「自宅浪人」です。
もともと自己管理をするのが好きでした。
部活が体操部だったのも、団体競技より個人競技に引かれたからです。
好きな時間に、好きな勉強を、好きなだけしたいと思いました。
これは正解でもあり、失敗でもありました。
正解である理由は、自分で自分をコントロールできる機会を十分に与えられるということです。
起きる時間から始まり、どんな科目を、どれくらい勉強するのかを決めます。
もちろん模擬試験も自分で選んで申し込まなければいけません。
なにより大変だったのは「感情のコントロール」でした。
自宅浪人だからこそ、励まし合える友人もいません。
焦ったり不安になったりする気持ちを励ますのは、自分しかいません。
情緒不安定になったり、どうすればいいのか訳がわからなくなったりなど、日常茶飯事でした。
そういうことを浪人生活でたっぷり味わうことになり、勉強以上に苦しめられました。
失敗だった理由は、そこで思ったより大きな時間と労力を取られてしまったことです。
勉強に集中しなければいけませんが、自分ですべてコントロールしなければいけません。
戸惑いましたし、手間を取られました。
自宅だからこそ、落ち込んだときのリカバリーに時間がかかります。
次に何をどのくらい勉強しようかと悩みますが、この悩み時間も、重なれば大きな時間になります。
なにより苦労したのは「勉強をやろう」という気持ちを奮起し続けることでした。
勉強へのやる気さえも、自分でうまい具合に出さなければいけません。
思うようにいかないときがたびたびあって苦労しました。
もし予備校に通うスタイルなら、もう少しスムーズだったかもしれません。
友人ができて、励まし合ったり勇気づけ合ったりしていたでしょう。
勉強の進め方も、予備校の指示に従えば、ある程度スムーズに進められるはずです。
周りの雰囲気に自然と押され、勉強を進めることができたことでしょう。
とはいえ、予備校に通ったとしても「もしまた落ちたらどうしよう」という焦りや不安があるのはたしかです。
人の性格にもよりますが、私は今でも、自宅浪人のスタイルでよかったと思っています。
昔から1人で淡々とするのが好きな性分です。
計画されるより、計画するのが好きです。
最初は勉強計画や自己管理など、うまくいかないこともありましたが、次第にポイントをつかめるようになります。
好きなことだから、楽しんでやってしまいました。