「浪人は人生の肥やしになる」
ときおり、浪人生にとってプラスになる話を耳にします。
「精神的に成長できた」
「人生について考え直す時間が持てた」
「自分の将来設計について見直す時間ができた」
浪人生を励ます気持ちがあってか、前向きな話をよく耳にします。
たしかに浪人をすれば、勉強だけでなく自己成長ができるよい機会になります。
現役で合格した人にはわからない苦しみを味わい、困難を乗り越えるからこそ、精神的に成長ができるようになります。
つらい気持ちときちんと向き合って、感情のコントロールを学べば、精神的にも成長できます。
浪人は自由な時間がたっぷりできますから、自分を見つめ直すきっかけになるでしょう。
しかし、です。
浪人をした人すべてが、成長できるとは限りません。
きちんと努力を継続した人だけが成長を得られます。
残念ながら、浪人時代に遊んでしまう人がいます。
もちろんきちんと勉強をして、ストレス解消や息抜きとして友人と遊びに出かけるならいいでしょう。
しかし「苦しみからの逃避」になっていると、よくありません。
苦しみを乗り越えるどころか、逃げようとしてしまい、現役のとき以上に遊んでしまう人がいます。
浪人だからこそ、現役のとき以上に大きな苦しみ・焦り・寂しさを感じるようになります。
そうしたマイナスの感情から逃げようとして、毎日友人と遊びに行ってしまいます。
時間は1年もあるし、少しくらい遊んでも問題ないだろうと気を抜いてしまいます。
たっぷりあると思える1年は、あっという間に過ぎてしまいます。
全然勉強もせずに遊びばかりに時間を使うのでは、浪人とはいえ成長できません。
初めは下手でもいいですから勉強を続けるような工夫を継続することです。
自己管理をして、机に向かう工夫をする。
やる気が起きなければ、やる気が起きるような工夫をする。
そういうところに目を向けるのか、避けるのか。
苦しみから逃げるのか、それとも向き合って成長するのか。
ひとえに「本人しだい」です。
「浪人になれば、勉強して大学に受かるぞ」という初心を、どうか貫いてください。
「初志貫徹」
最後まで諦めず、とにかくがむしゃらになり、貫くことです。
その中で、現役のときには気づかなかった自分に出会うことができることでしょう。
自由な時間がたっぷりできますが、どうかその時間を無駄にしないでください。
同じ失敗をまた繰り返さないために。