いきなりある人から「1万円あげるよ」と言われると、どう感じますか。
「やった」と喜ぶ人は、社会に出てから訪問販売に引っかかり、金銭的に苦しい経験をする人です。
特に社会に出て働いた経験のない学生は、こうした話によく引っかかります。
「怪しいな」と疑う人が、社会に出てから自立でき、世の中の本質を見抜くことができる人です。
社会に出て仕事をしている人は「うますぎる話には何か裏がある」ということを、直感的に気づけます。
「1万円あげるよ」といきなり言われるのは「話がうますぎる」と思うことが大切です。
世の中、そんなうまい話があれば、誰も苦労はしません。
その不自然さは、誰も教えてくれません。
苦労もせずに、大金を手に入れてしまうことに違和感を持つ勘を養うことです。
勘を養うためには、本を読んでも身につきません。
どう身につけるのかというと、自分が一生懸命に働くしかないのです。
自分が一生懸命に働いて「お金を手に入れるためには努力と苦労が伴う」という事実を体感することです。
働く行為が、どんなものでもかまいません。
工事現場で働く「肉体的労働」斬新なアイデアを生み出す「知的生産」、いずれにせよお金を稼ぐには努力、苦労、時間を伴います。
一生懸命に仕事をすることで、ようやくお金を手に入れることができます。
これが、お金を稼ぐ、本来の姿です。
一生懸命に働くと「お金を稼ぐとはどういうことなのか」を、体が覚えます。
体が覚えることで、うまい話には「怪しいぞ」という不自然さに気づくことができるようになります。
それを知らない人は、ある日、騙されてしまい、スッカラカンになってしまうのです。
働くことは、お金に対する直感を養う勉強です。
そもそも、現場で一生懸命仕事をしていれば、お金に騙されることはありません。
うますぎる話、出来すぎた話に、必ず「怪しいな」と気づきます。
仕事を通して、生きるための大事なお金の勉強をしているのです。