突然ですが、あなたは頭がいいほうですか。
たしかに先天的な頭のよさはあります。
記憶力、発想力、想像力、想起力、集中力など、そうしたことを総合して「頭が良い」といわれます。
実際、生まれつき、能力に恵まれた人がいます。
能力に恵まれた人は、記憶力がいいですからテストでは高得点を取ることができ、受験でも有利になります。
良い大学に進学できれば、一流企業にも入りやすくなります。
経済的にも有利になるでしょう。
世の中は、能力の高い人が有利となる仕組みになっています。
「じゃあ、頭が悪い人は、もう巻き返しはできないの」
私も、同じことを考えていたところです。
大丈夫です。
頭が悪ければ「頭の使い方」で差をつけましょう。
使い方さえよくなれば、そもそも悪い頭も、よくできます。
記憶力をはじめとする、さまざまな能力も「使い方」がポイントなのです。
能力は先天的ですが、使い方は後天的です。
使い方のほうが、そもそもの能力以上に重要です。
使い方によって、能力が高い人を超えることができる単純な例を出しましょう。
たとえば、買い物です。
あなたも一度は、買い物へ行ったことがありますよね。
今日は「カレーを作るから、肉、タマネギ、ニンジンを買いに行こう」と思います。
頭のいい人は、ここで得意の記憶力に頼ります。
買うものを頭で覚えて、買い物へ出かけます。
記憶力がいいだけあって、忘れることは珍しいですが、絶対に忘れないという保障はありません。
いくら記憶力のいい人でも、人間ですから「うっかり」ということがあります。
記憶力のいい人でも絶対ではありません。
しかし、頭の使い方が上手な人は「カレー」とだけ覚えます。
カレーですから、買い物のときは「肉、タマネギ、ニンジン……」と連鎖して思い出していけばいいのです。
1つをヒントに、5も10も思い出していけばいいのです。
しかし、さらに頭の使い方が上手な達人は、もはや頭を使わなくなります。
人間の記憶力は頼りないことを自覚しているために、記憶力には頼りません。
では、どうするかというと「紙に書く」のです。
買うものを紙に書けば、忘れることはありません。
どんなに記憶力の悪い人でも、紙に書けば、もはや記憶力とは関係ありませんから、忘れることはありません。
頭の悪い人は、頭の使い方によって、頭のいい人を超えてしまったという例です。
能力が高い人、とりわけ「記憶力がいい」という人は、頭がいいがゆえに頭を使って覚えようとします。
しかし、頭が悪い人は、自分は能力が低いことを自覚しているので、補助的な方法を考えます。
その補助的な方法のほうが、結果として記憶力より強力であったりするのです。
先天的な能力を、後天的な「使い方」によって、すぐ追い抜けます。
本当に賢い人は「能力」ではなくて「使い方」が上手なのです。