健康のためにお金を使うことは、大切な習慣です。
よくよく考えると、健康のためにお金を使うことは、上手な使い方の1つです。
「もしものときのためにお金を貯金しておけ」という言葉をよく耳にします。
ですが本当に「もしものとき」には、お金を使いたくても使えない状態なのです。
こうしたことは、どれも「もしものとき」と呼ばれる出来事です。
たとえば「死」です。
これぞ代表的な「もしものとき」ですが、死んでしまっては貯金が何の役に立つのでしょうか。
いいえ、まったく役立ちません。
死んでしまっては、あの世までお金を持っていくことができず、手放さなければなりません。
貯金の金額によっては、後に残された人たちの間で、財産の振り分けによるいざこざが起こってしまう火種になります。
風邪や病気のときは、どうでしょうか。
風邪を引くくらいなら、大金は不要です。
ささいな病気くらいなら、実はさほどお金はかからず、薬局で売っている医薬品で事足りるときが大半です。
一方で手術をするなら、少々お金を貯めたところで足りるものではありません。
保険に入っていれば、それで賄えます。
ですが、もし入っていなければ貯金をしたところで、足りるような金額ではありません。
大きなお金が必要です。
会社の倒産、失業、家が火事になることも同じです。
ただごとではないため、チマチマした貯金で賄える状態ではありません。
失業保険や火災保険に入っているほうが、貯金よりよほど懸命なお金の使い方です。
貯金より、保険のほうが重要になってくる話だからです。
では、家族や恋人の死はどうでしょう。
お金があれば、人間が生き返るとでも言うのでしょうか。
実際、人が亡くなれば、二度と生き返ることはありません。
たとえお金の力でも、人を生き返させることはできません。
家族の死であれ、恋人の死であれ、お金を役立たせたくても、立てることができないのです。
お金の力ではどうにもならない、絶対的なことです。
では、難しい病、植物状態になったときにはどうでしょう。
お金を使いたくても、体が動かないため外出もできず、クラブやカラオケや飲み会にも行くことができません。
買い物に行きたくても行けず、ドライブをしたくてもできず、旅行に行きたくても行けません。
使いたくても使えない状態なのです。
やはりこうしたときもお金を貯めていたところで、実はあまり意味がありません。
世間では「もしものときのために貯金をしろ」と言います。
しかし、ちょっと待ってください。
本当にもしものときのために、お金は必要なのでしょうか。
もしものときには多少の貯金程度で足りるような金額ではなかったり、お金を使いたくても使えなかったりといった状態なのです。
あるいは、人の死というような、お金があっても何の効果もなさないことすらあります。
これが現実です。
「もしものとき」という事実は、たしかに存在します。
しかし、もしものときにお金は活躍できないし、させられないのです。
本当のもしものときは、それどころではないからです。
まずはこの事実をしっかり心に留めておきましょう。
すると、お金をどう使えばいいのかという「本当のお金の使い方」が見えてきます。
日頃から病気やけがに気をつけた毎日を心がけるために、お金を使うことです。
入院してからでは巨額のお金が必要ですから、日々の健康に気を使い、予防という形でお金を使っていくほうがいいのです。
フィットネスクラブへ通い、健康のためにお金を上手に使ったり、栄養のあるおいしい食事のためにお金を使ったりします。
運動をしたり、栄養面にお金を使ったりすることは、けがや病気の予防策として大きな効果があります。
病気やけがをしてからお金を使うのではなく、そうならないようにお金を使うことが重要なのです。
会社を首になることにびくびくした毎日を送るくらいなら、日頃から自分磨きのためにお金を使うことです。
家族の死、恋人の死を恐れるくらいなら、今、手書きの手紙を書いてプレゼントを贈ることにお金を使うほうが大切です。
自分の死をいくら恐れても、いずれ死を迎えます。
あなたには今、貯金がどのくらいありますか。
貯金を自慢している人になっていませんか。
貯金を自慢するくらいなら、今の自分磨きのためにお金を使いましょう。
将来輝くために、今お金を使って自分をどんどんと磨くことです。
もしものときが来ないように、今お金を使って予防していれば、心配することはないのです。