上手なお金の使い方とは、新規開拓よりメンテナンスにお金を使うことです。
お金を使って心が貧しくなる人は、新規開拓ばかりにお金をつぎ込んでしまいます。
新しいことがよいことであり、古いことは悪いことだと思っているのです。
新しい物ばかりを買いあさり、新しい人と出会い、新しいことばかりにお金を使っていきます。
新しく出会っても、その後が続かないから成長も関係も深まっていかないのです。
つまり、精神的豊かさがないわけです。
ですが、心が豊かになるお金の使い方をする人は、新規開拓ではなく、メンテナンスにお金をかけます。
人間関係でいえば、新しい友人を次から次へと作ることではなく、今の友人ともっと仲良くなるためのお金の使い方を指します。
新しい人に出会うことより、今の友人を大切にして仲を深めるために温泉に行ったり、旅行に行ったり、遊びに行ったりします。
そういうお金の使い方のほうが、幅は狭いですが、奥行きが深まるのです。
新規開拓で新しい人と出会ったり、新しい物を買ったりしていては、幅は広がっても奥行きを深めることはできません。
人間の時間は有限です。
24時間しかないのですから、次から次へと新しい人や物ばかりと出会っていては、仲を深める時間がないのです。
あなたの周りにいないでしょうか。
ちょっと思い出してみましょう。
「新しい出会いが欲しい」
「もっと友人を作りたい」
私の周りにも、そういう願いを持って合コンやコンパに出かける人たちをたくさん見かけます。
そういうところではたしかに今までにはない新しい人との出会いがあります。
そうしたところに来る人は、そもそもの目的が新しい出会いです。
出会いやすければ、仲良くなりやすいものです。
ですが、自分の人間関係がうまくいっていないからほかの人間関係へと助けを求める人は、精神的豊かさに乏しい人が多いのです。
自分がそうであるだけでなく、相手もそうだし、集まる人がみんなそうした人たちです。
出会いはあっても、薄い付き合いになりやすく、気に入らないことがあればすぐ「サヨナラ」となってしまう関係になるのです。
薄い人の周りには薄い人たちばかりが集まり、深みのある人の周りには深みのある人たちだけ集まります。
合コンやコンパは、日本のことわざにあるように「類は友を呼ぶ」という現象のまさに、それなのです。
同じ失敗を繰り返し、お金を使っていても、精神的に豊かになれません。
自分が薄い関係を求めているため、相手も同じように薄い関係で終わらせてしまい、深みがなければ精神的豊かさもないのです。
本当の豊かな関係は、新しい出会いにあるのではありません。
今の友人との関係にあるのです。
新しい出会いにお金をかけるくらいなら、今の友人ともっと仲良くなるためにお金を使いましょう。
楽しい思い出だけでなく、つらい思い出でもいいですから、共に仲を深めるのです。
旅行や温泉、習い事、遊びに出かけるだけでもかまいません。
それが、心が豊かになるお金の使い方なのです。