世の中には「マニュアル人間」と呼ばれる人がいます。
マニュアル人間という言葉は、ネガティブな意味で使われることが多く見受けられます。
「考えることを放棄した人」「応用力がない人」「頑固で変わらない人」といったイメージがあるのではないでしょうか。
世間では「マニュアル人間になるな」という声がよく聞かれます。
意識の高いあなたなら、マニュアル人間にならないよう、日頃から自分の頭で考えることを心がけているに違いありません。
あるとき仕事で、マニュアル人間と組むことがあるかもしれません。
相手に「柔軟に動いてほしい」「もっと自分の頭で考えてほしい」とお願いしても、なかなかうまくいきません。
「相手に変わってほしい」と願うところですが、簡単にはいかず、悩まされるはずです。
相手を変えようとしても、教育が必要です。
時間と労力がかかってしまい、現実的ではありません。
相手にあれこれ押し付けると、不快にさせてしまい、人間関係にひびを入れかねません。
マニュアル人間と良いチームワークを発揮するには、どうすればいいのでしょうか。
悩ましい問題に思えますが、発想を変えてみると、解決法は意外とシンプルです。
丁寧なマニュアルを渡せばいいのです。
マニュアル人間は「マニュアルどおりに動くのが得意」という長所があります。
マニュアルを渡せば、そこに書かれているとおり、きっちり正確に動いてくれるでしょう。
これはこれで素晴らしい能力であり才能です。
仕事の人間関係に限らず、あらゆる人間関係に言える話ですが、相手を変えるより、自分を変えるほうが早い。
マニュアル人間は「マニュアルどおりに動くのが得意」という長所があるのですから、その武器を最大限に生かすのが得策です。
相手の働き方に変更してほしい点があれば、マニュアルを修正して渡しましょう。
マニュアルの出来が良ければ、期待どおりの仕事をしてくれるはずです。
マニュアル人間の弱点は、トラブル対応の弱さです。
仕方ないように思える弱点ですが、これもマニュアルで解決が可能です。
トラブルに対応したマニュアルを渡せばいいのです。
トラブル別の対処法を書いたマニュアルを作成して渡します。
すべてのトラブルを漏れなく列挙するのは難しいですが、よくあるトラブルに絞れば、シンプルにまとめられるでしょう。
マニュアルの作成者にとっても、リスク対策を考えるきっかけになるので有益になるはずです。
こうした点を心がければ、マニュアル人間と仲良く付き合えます。
仕事でマニュアル人間と組むことがあれば、無理に相手を変えようとするのではありません。
相手の個性をありのまま生かすようにするのがベストです。
付き合いにくいのは、付き合い方を知らないだけです。
付き合い方を工夫すれば、マニュアル人間と良いチームワークを発揮できるようになります。