多くの職場ではマニュアルが用意されています。
上司や先輩から「これを読んでね」と渡され、目を通すことになります。
マニュアルに従って動けば、ミスや間違いをすることなく、誰でも一定レベルの仕事がこなせるようになります。
そんなマニュアルにあなたはどんなイメージを持っているでしょうか。
マニュアルとは、いわゆる手順書です。
面白みも感動もなく、手順や注意事項が淡々と書かれているだけです。
「手順が書かれているだけ」「よくある教育資料にすぎない」などと考え、流すようにさらっと眺める人がいます。
「マニュアル人間」という言葉がある影響のためか、マニュアルにネガティブなイメージを持つ人が少なくありません。
しかし、マニュアルを軽く捉えてはいけません。
マニュアルは、血と汗と涙の結晶です。
出来上がるまでの過去を想像することです。
単なる手順書に見えるかもしれませんが、突然できたわけではありません。
過去の先輩方が試行錯誤して作り上げた資料です。
過去に携わった人がわかりやすく記述して、間違えやすいところは赤丸で囲みました。
何度も改版されたマニュアルも少なくありません。
失敗やトラブルが起こるたびに、同じことが起こらないようマニュアルを加筆修正します。
その手順書は、過去のトラブルの反省や改善が反映されていることでしょう。
多くの手間暇がかかった資料ですから、しっかり読むだけの価値があります。
マニュアルは「一字一句」に集中することです。
ちょっとした説明文にも時間がかかっています。
イラストがあれば、ぜひ注目してください。
先輩たちが少しでも読みやすくなるよう配慮したイラストに違いありません。
シンプルなイラストにも、先輩方の優しさが込められています。
借りてきたイラストであっても「少しでもニュアンスが伝わるように」と気持ちが込められています。
どんなマニュアルも、ありがたく読ませていただきましょう。
「たかがマニュアル」と思うのではなく「先輩たちによる努力の作品」と思うことです。
マニュアルがあるおかげで、ミスも間違いもなく、スムーズに仕事を習得できます。
あるときマニュアルの修正箇所に気づくことがあるかもしれません。
そんなとき、今度はあなたが加筆修正しましょう。
改版者として名前が残っても残らなくてもいいのです。
先輩からの遺産を引き継ぎ、どんどんブラッシュアップさせていくことです。
マニュアルも、一種の芸術作品です。
マニュアルを重く受け止め、じっくり読む人が、スピード出世を果たすのです。