常識とは何か。
常識とは、一般の人が共通して持っている知識や分別をいいます。
ときどき人と接していると、自分の常識不足を笑われることがあります。
「そんなの常識だよ」
自分の常識不足が露呈したとき、よく言われる一言です。
相手に笑いながら言われると、自分の非常識や世間知らずを恥ずかしく思うでしょう。
「そんなの常識だよ」という一言で心が傷つく人もいるはずです。
「そうなのか。自分は常識が足りないのか。情けないね。恥ずかしい」
そう思うかもしれませんが、ここに誤解があります。
そもそも常識は、あってないようなものです。
人によって生まれも育ちも違います。
人によって考え方も価値観も違います。
ですから、人によって常識も千差万別です。
相手の常識は、自分の常識とは限りません。
人の多様性を無視して、自分の価値観を押し付けている状態です。
人が歩む人生は、それぞれです。
歩む人生によって頻繁に触れる情報もあれば、めったに触れない情報もあるでしょう。
いくら常識とはいえ、一度も触れたことがない情報があるのも不思議ではありません。
誰でも知らない常識もあって当然です。
「そんなの常識だよ」と言う人が、一番常識をわかっていないのです。
「そんなの常識だよ」と言われて落ち込む必要はありません。
知らなかったことがあれば、教えてもらえばいいだけです。
「初めて知りました。詳しく教えていただけませんか」という一言を言うだけです。
くよくよする必要もなければ、落ち込む必要もありません。
罪を犯したわけでもなければ、誰かに迷惑をかけたわけではありません。
たまたま常識の中に、知らないことがあっただけです。
むしろ「今、知らないことがわかってよかった」と思うくらいでいい。
知らないことに気づいて、今知っておけば、次からスムーズになります。
「少し常識が向上した」と思えば、ハッピーな気持ちになれます。
さて、注意したいのは相手だけではありません。
あなたも「そんなの常識だよ」というセリフに注意しましょう。
少なくとも感じのよい言葉ではありません。
相手の常識不足に気づいても、笑ったり責めたりしないこと。
自分の常識は、相手の常識とは限りません。
人の多様性を思い出し、自分の価値観を押し付けないよう注意しましょう。
優しく丁寧に「こうですよ」と説明すればいいだけです。
「私も以前は知りませんでした」「知らない人のほうが多いですよ」とフォローすれば、相手も救われます。
相手から「ありがとうございます」と感謝され、会話がスムーズになります。