人と議論を交わしていると、話が平行線になることがあります。
お互いが意見や主張を譲らず、妥協点が見いだせない状況です。
同じ話を繰り返し、折り合いがつかない。
まさしく平行線の形状のように、つかず離れずの状態が続きます。
話が平行線になると、だんだんいらいらしてくるのが厄介なところ。
不毛な時間ばかりが過ぎていくのです。
さて、話が平行線になったらどうするか。
ここでの対応は、人間関係の成り行きを決める重要なポイントです。
まず注意したいのは、強引に説き伏せてしまうことです。
声を荒らげたり乱暴な言葉を使ったりして、無理やり相手を納得させます。
頭の回転が速くて話術の巧みな人なら、矛盾点を突いたり揚げ足を取ったりして、うまく説き伏せることができるかもしれません。
相手が折れるまでまったく譲歩せず、とにかくしつこく粘ろうとする人もいるはずです。
しかし、平行線になった話を強引に説き伏せようとするのは要注意です。
強引に説き伏せようとすると、相手を不快にさせます。
平行線になっている時点で、すでに一定の摩擦が発生しています。
まだ火はついていないものの、今にも火がつきそうな摩擦熱が発生しています。
無理やり相手を説き伏せようとすると、議論ではなく、口論になってしまいます。
無理やり相手を説き伏せたとしても、むかむかした感情が残るでしょう。
後味の悪い議論の決着になり、本当の解決にはならないのです。
では、自分が譲歩すればいいかというと、それも注意が必要です。
安易に譲歩すると、自分にとって不利な状態を招くことがあります。
軽い気持ちで安易に譲歩すると、後から「うかつなことを言ってしまった」と悔やむことがあります。
言葉を取り消すのは、簡単そうで難しい。
「今さら結論を変えないでほしい」と思われます。
とりわけ将来に関わる議論なら、安易な譲歩には注意が必要です。
では、どうすればいいのか。
話が平行線になったときのマナーがあります。
話が平行線になったら、いったん話を切り上げるのが得策です。
お互い興奮している状態では、建設的な議論をするのは困難です。
無理やり説き伏せる必要もなければ、安易に譲歩する必要もありません。
それ以上話をしても、時間と労力の無駄になります。
いったん話を切り上げて、落ち着く時間を作りましょう。
冷静になれば、もっと別の見方や考え方ができるようになるでしょう。
自分の理解不足に気づくこともあるでしょう。
興奮が収まって冷静な思考をすると、自然と考えが変わることもあります。
譲歩をするなら、仕方ない譲歩なのか、不公平な譲歩なのか、じっくり考えることができます。
譲歩するなら譲歩してもいいですが、一度冷静な思考を経ておくことが大切です。
考える時間を作りましょう。
じっくり考えを煮詰めてから議論を再開すれば、お互い納得できる妥協点を見いだしやすくなります。