「緊張してはいけない」と考えてはいけません。
もちろん「緊張してはいけない」という考えは正論です。
本番でスムーズに実力を発揮するために「緊張してはいけない」と注意するのは、当然のこと。
あがり症の人に限らず、緊張が苦手な人なら、普通に考えやすいでしょう。
しかし、ここが落とし穴。
一見正しく思えて、実は悪影響があります。
「緊張してはいけない」と考えると、ますます緊張を促すことになるからです。
脳は、否定を理解するのが苦手です。
たとえば「かわいい子猫を想像しないでください」と言われたとき、あなたはかわいい子猫を想像するでしょう。
「白いカラスを想像しないでください」と言われたときも、白いカラスを想像するはずです。
脳は否定を理解するのが苦手だからです。
「緊張してはいけない」と考えたときも、否定が取り除かれ「緊張する」に変わります。
「緊張してはいけない」と考えれば考えるほど、心の中で「緊張」という文字が大きくなる。
不安や恐怖がどんどん増大していき、緊張が過度になってしまうのです。
では、どう考えるのがいいのか。
「リラックスしよう」と考えましょう。
リラックスについて考えると、意識がリラックスを促す方向に向きます。
「自分はだんだんリラックスしている」という自己暗示も効果的です。
嘘でもいいから信じていると、本当に気持ちが落ち着いてきます。
ストレスが和らぎ、体の力が抜けます。
だんだん動揺が収まり、冷静な自分を取り戻せます。