言いにくいことを言わなければならないとき、どうしますか。
相手を不快にさせるかもしれないと思いつつも、会話の流れで言わなければいけないことがあるでしょう。
このとき、会話が上手な人と下手な人でマナーに差があります。
会話が下手な人は、言いにくいことでもストレートに言ってしまいます。
言われた相手の気持ちを考える配慮が足りません。
とにかく思ったことを、そのまま発言します。
単刀直入な発言は、素直で正直な様子に思えるでしょう。
しかし、衝撃的なことをはっきり言われた相手は傷つくかもしれません。
ぐさりと心に深く突き刺さり、心の傷として長く残ることもあるでしょう。
時には怒りや不快感を覚えることもあるはずです。
たとえば、40代の男性がモテないことで悩んでいたとします。
「なぜ自分はモテないのだろうか」と真剣な表情で聞いてきた。
自分が素直に感じた原因が「加齢臭」と思えば、会話が下手な人は単刀直入に言ってしまいます。
はっきり言われた相手は、あまりのショックに頭を抱えるでしょう。
正直に思ったこととはいえ、相手を傷つける可能性が高いなら、ストレートな発言は控えたほうが賢明です。
会話が上手な人は、言いにくいことはオブラートに包んだ言い方をします。
モテないことで悩んでいた40代の男性がいたとして、加齢臭が原因ではないかと感じたとします。
ストレートに言うと相手を傷つける可能性があるため、言い方を工夫します。
「もう少し清潔感を意識してみるといいかもしれない」
「香水のタイプを変えてみたらどうかな」
「ボディーソープのタイプを変えてみてはどうでしょうか」
はっきり言わないものの、少しニュアンスを出して、それとなく意味を伝える言い方です。
オブラートに包んだ言い方なら、少なくとも相手をひどく傷つけることはないでしょう。
相手に考えさせて、自分で気づかせる効果もあります。
相手から「はっきり言ってほしい」とお願いされたときは別ですが、普段は傷つけない言い方を心がけるのが賢明です。