会話とは決断の連続です。
「これを話そう」と決めて話し始めますが、話の内容は、変更せず話しきればいいとは限りません。
話している途中で雰囲気が変わり、都合が悪くなることもあります。
たとえば、若者を褒める話をする場面があるとします。
「やはり若い人は頼りになるね。若さとは素晴らしい」
自分としては、普通に若い人を褒めているつもりです。
もちろん深い意図も裏の意味もありません。
ところが、相手は年齢にコンプレックスがあり、不快に感じていることもあるでしょう。
言い方によっては、高齢者を軽視しているように聞こえる場合もあるはずです。
話題を出したとたん、相手の表情や態度に不穏な様子が見られれば、何らかの感情を抱いていることがわかります。
こうした場合、どうするか。
会話が下手な人は、話を途中で変更せず、最後まで話しきります。
話の途中、相手の表情が悪くなったと気づいても、すでに話し始めている話を最後まで話しきります。
これはよくありません。
相手を不快にさせる内容を最後まで話しきれば、ますます相手を不快にさせるでしょう。
「後から謝ればいい」「発言を撤回すればいい」と思うかもしれませんが、容易ではありません。
一度発言した内容は、心に長く残り続けるもの。
すぐ撤回したくても、心情として難しい場合があります。
話が上手な人は、相手の様子に応じて流れを変えます。
相手の表情や態度に注意しながら会話をして、感情を読み解こうとします。
会話中のある話題で、急に相手の表情が険しくなれば「触れてほしくない話なのだろう」と察知できます。
相手が歓迎しない内容だとわかれば、話の途中で変更したり中断したりします。
逆のパターンもあります。
会話中のある話題で、急に相手の表情が明るくなれば「楽しんでいる」「興味関心のある話題」と察知できます。
相手が楽しんでいる様子があれば、もっと話を拡大して、詳しく話すこともあっていいでしょう。
相手の表情や態度から感情を読み取り、会話に生かすことで、よりスマートな会話に整えることができます。