私たちの会話では、暗黙のルールがあります。
「会話は、関連した内容で次に続ける」というルールです。
明文化されているルールではありませんが、気持ちよく会話をするルールとして、世間では広く定着しています。
そのため、この暗黙のルールを意識できるかどうかは、会話の善しあしにも影響します。
会話が下手な人は、急に話の流れを変えます。
会話の途中で別の話題を思いつくと、前後の流れを無視して、急に話を変えて話し始めます。
もちろん急に話を変えることが悪いわけではありません。
ふとした拍子で別の話題を思い出し、話したくなることはあるでしょう。
ここで問題なのは「断りもなく急に話題を変える」という点です。
急に話題が変わると、自分はよくても、相手は頭の中を整理するのが大変です。
相手は一瞬「何のことだろう」と驚き、困惑するでしょう。
しばらくすれば、相手は話題が変わったことに気づき、何とか話題についてきてくれるはずです。
しかし、少なくとも気持ちのいい会話ではありません。
相手を困惑させ、ストレスを感じさせているのは事実。
あまり頻繁に行われると「非常識」「自分勝手」などの悪印象につながるでしょう。
場合によっては人付き合いに影響する可能性もあるのです。
会話が上手な人は、話の流れに沿って話を進めます。
会話は、連想ゲームに似ています。
関連した話題でつなげて話していくことが、上手な会話の基本です。
たとえば「最近ランニングを始めた」という話から「いつかフルマラソンを走りたい」という話になる。
フルマラソンの話から「いつかホノルルマラソンに行ければいいね」という話に変わる。
「実は旅行でホノルルに行ったことはある」という話になり、そのときの思い出話に続く。
話が関連しているので自然な流れです。
どんどん話が進み、止まらないでしょう。
どうしても途中で別の話題に変えたいときは、一言断りを入れます。
「話が変わるけどいいかな」
許可をもらってから話し始めれば、相手は心の準備ができるので、まったく別の話題でもついていきやすくなります。