国内のホテルの経験ですが、大変ひやっとした経験がありました。
大事には至りませんでしたが「もしあのとき」と思うと、かなり面倒なことになっていた経験です。
20歳のころ、成田空港経由で、留学先であるロサンゼルスに向かおうとしていました。
すると、当時付き合っていた彼女が、成田空港まで見送ってくれるといいます。
すごく嬉しかった。
わざわざ大阪から東京まで来てくれるなら、出国日より少し早めに東京に出て、東京観光も楽しもうという話になりました。
渋谷近くの池尻大橋というところにある、安いビジネスホテルを予約してもらいました。
ホテルにチェックインしようとしたときのことです。
フロント係から「貴重品があればお預かりします」と言われました。
普段はめったに貴重品は預かってもらいませんが、そのときは買ったばかりの最新式ノートパソコンを持っていました。
アメリカでインターネットや勉強のため、ノートパソコンを使う予定でした。
万が一なくしたら大変だと思ったので、貴重品としてホテルのフロントに預けてもらうことにしました。
それから数日間、そのビジネスホテルで宿泊しながら、東京観光を楽しんで、さて成田空港へ行こうとしたときです。
ホテルのフロントでチェックアウトを終え、タクシーを呼んで、荷物が多いのでトランクに入れている最中です。
突然、彼女が言いました。
「あれ、パソコンは?」
はっとしました。
「そうだ、ホテルのフロントに預けていたんだ」
預けていたことを、完全に忘れていました。
このときほど、冷や汗をかいた経験はありません。
チェックアウトのとき、ホテルのフロントの人も気を利かせて取り出してくれればよかったですが、やはり人間です。
お互いうっかりしていました。
彼女が思い出してくれたおかげで大事には至りませんでした。
あのまま気づかずにタクシーに乗って、日本から出国していたと思うと、ぞっとします。
この経験から「貴重品としてホテルのフロントに預けていても、必ずしも安全とは限らないな」と思いました。
それ以来、ホテルのフロントに貴重品は預けないことにしました。
部屋に持ち込み、部屋の中の金庫などにしまうようになりました。
ちなみに余談ですが、その後私は、アメリカへ持参したノートパソコンを使って、パソコンが得意になりました。
コンピューター関係の仕事を目指すようになり、今こうやって自分のホームページを持つようになりました。
もしです。
あのとき、彼女が気づかなかったとすれば……、自分の人生は大きく変わっていたかもしれない。
職種が変わり、年収が変わり、このサイトすら存在していなかった可能性があります。
人生って、不思議だなと思ったのです。