自分の失態のせいで、韓国でパソコンを紛失しそうになったことがあります。
3年半のアメリカ留学生活を終え、日本へ帰国するときのことです。
ロサンゼルスから日本に帰るとき、韓国経由で帰ることにしました。
飛行機の時間の都合上、乗り継ぎがスムーズにできないため、韓国で一泊しなければいけない状況になりました。
「韓国観光も兼ねて、ちょうどいいかな」
ついでに韓国観光もしてしまおうと思い、楽観的に考えていました。
観光も兼ねて、韓国のホテルに到着し、一休みしていたときのことです。
「あれ?」
いつの間にか手荷物の1つである、ノートパソコンがなくなっている。
「あれ。おかしいな」
部屋中を探しましたがどこにもありません。
よりによって、30万円もする最新式ノートパソコンです。
値段が高いだけではありません。
顧客の個人情報は入っていませんでしたが、時間をかけて作成した大切なデータがたくさん入っているパソコンでした。
さすがに、まあいいかでは済まされません。
今までの努力が水の泡になります。
部屋中を見て回ったり、ホテルのフロントに紛失物を捜しに行ったりしましたが、やはりありませんでした。
「どこでなくしたんだろう」
行動を振り返っていて浮かんだところがあります。
韓国・インチョン空港のトイレです。
ロサンゼルスから韓国に到着して、まずトイレに向かったことを覚えています。
「もしかしたら、空港のトイレで置き忘れてしまったのではないか」
はっきりは覚えていませんでしたが、心当たりがあるとすれば、そこでした。
ノートパソコンのことが心配で落ち着かず、観光予定もキャンセルです。
紛失したことが気になり、観光地を楽しむどころではない。
翌日、韓国から日本へ帰るため、再びインチョン空港に向かいました。
搭乗手続きより真っ先に向かったのは「遺失物取扱所」でした。
15分くらい調べてもらっていると、それらしきものがありました。
電源を入れて最初のログイン画面で、アカウント名を素直に自分の名前にしていたので、すぐ係の人も信用してくれました。
「ああ。アカウント名はこんなところでも役立つのか」と思ったりもしました。
誰か親切な人が、届けてくれたようです。
このときほど、届けてくれた親切な人に感謝したことはありません。
誰かはわかりませんが、神様に向かって感謝したのを覚えています。
同時に、自分の不注意を猛反省した一件でした。