優れた上司は、仕事が一番できる人材と思われます。
たしかに優れた技術や豊富な知識を持ち、人生経験が豊かな人が多いです。
取引先との交渉も、やはり経験のある上司がすれば、多種多様な話に対応できて、一番うまく進みます。
だからこそ、上司は上司になれました。
しかし、人望を集められるかどうかというと、もっと別の視点が必要です。
自分の仕事を成功させるために部下をこき使う上司は、いくら仕事ができても部下から嫌われます。
偉そうになるからです。
そういう職場は上司と部下との関係が悪くなり、ある日突然、部下が「やめたい」と言い始めます。
人望を集める上司になるためには、逆のことをすればいい。
「上司のために部下を働かせる」のではなく「部下のために上司が働く」のです。
事実、大きなプロジェクトほど、実質的な仕事をしているのは上司ではありません。
部下です。
大勢の部下がする仕事のおかげで、大きなプロジェクトが完成します。
上司の仕事とは、部下がする仕事を支えたり、監督したり、指揮したりすることです。
上司そのものは、直接、生産性のある仕事に関わることはありません。
その代わり、部下の仕事がやりやすくなるように、雑用を一生懸命にします。
本来、人望のある上司の仕事ほど、部下の雑用係になっています。
優秀な上司ほど、一流の雑用係です。
上司がトイレ掃除をしている職場は、必ず社内の雰囲気もいいに違いありません。
上司がする雑用のおかげで、部下は仕事に専念できるからです。
またそういう懸命に努力をしている上司を見て、部下もやる気になるでしょう。
上司が雑用をすればするほど、上司も部下も、仕事がスムーズになります。
だからこそ、仕事が速く進み、結果として大きなプロジェクトを成功させることができます。
なにより、上司と部下との関係がよくなります。
部下のために上司が積極的に動いている姿は、部下に感動を与えます。
部下も上司の期待に応えて、より一生懸命に仕事をするようになるでしょう。
お互いが助け合える関係ができれば、トラブルや困難があっても、協力して乗り越えることができるでしょう。
仕事の質だけでなく、職場の雰囲気もよくなります。
人望を集める上司のポイントは、ここです。
究極の雑用係になるのです。