自分一人で作業をしていると、誰もいないからとはいえ、気が緩んでしまいます。
気が緩んだときに、ヒューマンエラーが発生します。
ほうっておけば、惰性が働くのは人間ですから、不思議なことではありません。
仕事でもスポーツでも、ある一定以上、同じことが続けば飽きてしまい、サボりたくなる気持ちが出てきます。
たとえ、大好きなことでさえもです。
1つの提案として「第三者の目を置く」というのはいかがでしょうか。
第三者の目を置けば、緊張が持続して、品質の高い作業を保てます。
プロスポーツ選手は「ファンに助けられた」という言葉をよく口にします。
大きな成績を残している選手ほど、決まって口にする言葉です。
ファンからの応援で底力が湧き、実力以上の実力を発揮できたという意味かというと、たしかにそれもあります。
しかし、実はこの言葉には、意外な意味が隠されています。
通常、人間は、自然と惰性が働きます。
男であろうと、女であろうと、年齢も関係なく、プロでさえ怠けたくなる気持ちが出てきます。
しかし、いつもファンが選手を応援してくれれば、怠けたくても怠けることができません。
第三者の目があると緊張し、少しでもいいかっこをしたいと思うのが、人間です。
ファンとはいわば、第三者の監視の目です。
スポーツ選手が惰性を乗り越え、苦しいトレーニングを継続できるのは、ファンという第三者の監視の目が光っているからです。
見ている人がいるからには、サボりたくても、サボれません。
監視の目が光っているからこそ、継続的にトレーニングを積み、さらによい成績を残します。
よい成績が残せれば、さらにファンが増え、監視の目がさらに強力になります。
結果として、いい効果を生み出します。
「ファンが選手を育てている」と言っても過言ではありません。
むしろ、そのとおりです。
ファンがいなければ、選手は「誰も見ていないから大丈夫」と思い、怠けることでしょう。
プロスポーツ選手が口にする「ファンに助けられた」とは、そういう深い意味が込められています。
第三者の目を有効に活用しましょう。
「見られているから嫌だ」と思うのではなく「見られているからやる気が出る」とポジティブに考えればいい。
プロスポーツ選手ほど、第三者の目を有効に活用しています。
「見られたくない」と思うのではなく、むしろ「見られたい」と考えましょう。
惰性を乗り越えるのは、プロになるための必須事項です。
緊張の糸をつなげるために、監視の目を、いい意味で利用するのです。