趣味を楽しむ人に向かって「そんなことやって何の意味があるんですか」と聞く人がいます。
これこそ野暮な質問というものです。
いちいち聞く必要はありません。
聞かれた相手は困った顔をするでしょう。
世の中には実益を兼ねてやっている趣味もありますが、そういうケースは少数です。
趣味だからといって、何でも意味や目的があってやっているわけではない。
趣味は娯楽です。
趣味は「意味や目的があるからやる」ではありません。
ただ楽しいからやるものです。
意味も目的もなく、楽しいからやっているだけの趣味はたくさんあります。
趣味とは、端から見ると、意味不明な行動ばかりです。
サッカーは、ひたすらボールを追いかけながら蹴っているだけです。
ゴルフも、自分が打ったボールを追いかけては、また打つという繰り返しです。
楽器演奏も、ただ楽器を弾いているだけで、1円もお金になりません。
スポーツ観戦も、人がスポーツしているのを見て、わいわいしているだけです。
登山も、時間やお金がかかるばかりか、時には大きなリスクも伴います。
客観的に見れば、人の趣味は、意味不明に見えることが多いもの。
「お金がかかるだけ」「時間がかかるだけ」「将来の役に立つわけでもない」と思えます。
それでいいのです。
実益は後の話であり、最初にあるのは「楽しむこと」それだけです。
意味不明な行動に見えたとしても、そもそも趣味とはそういうものです。
ただ楽しいからやっているだけであり、そこに特別な意味や目的はありません。
おかしなことではなく、いたって普通のこと。
「意味や目的があろうとなかろうと、とにかく楽しいからやる」です。
楽しければ、それでいい。
その人が楽しんでいるなら、それが正解です。
意味がわからないように見えたとしても、本人は「楽しい」という最大の恩恵を享受しています。
これだけ十分な意味があり、目的も達成できています。
楽しさは何物にも代えがたい価値があります。
楽しんでいる時点で、完結しているのです。