スキー場には、初心者コースから上級者コースまであります。
初心者にもかかわらず、いきなり上級者コースを滑ろうとする人がいます。
「上級コースの難しさを経験してみたい」「上級コースを滑ったほうが、早く上達するだろう」と思っています。
これは大変危険です。
初心者が上級コースにチャレンジしたところで、ろくなことになりません。
難しいコースでスリルを味わいたいのかもしれませんが、その軽はずみな考えがトラブルを招きます。
急な勾配でまともに滑られません。
転んでばかりになり、スキーらしいスキーができません。
上級者の邪魔にもなります。
うまく滑られないせいで「スキーは面白くない」「私に合っていない」と誤解して、スキーが嫌いになるかもしれません。
まともに滑られないので、慣れることも練習することもできません。
まともに滑られず、ひらすら転んでばかりで、達成感は皆無です。
挫折感を味わうだけになるのです。
上級者コースを滑ったほうが早く上達すると思っているなら、大きな誤解です。
スキーは、きちんとステップアップを踏まなければ、身につかないスポーツです。
基本が身についていない状態で上級コースを滑ったところで、まともな練習になりません。
上達が早くなるどころか、かえって遅くなります。
転ぶだけでは終わればまだいいほうです。
打ち所が悪ければ、大けがにつながることがあります。
場合によっては、命に関わることにもなりかねません。
他のスキーヤーとぶつかって相手にけがをさせてしまうこともあります。
初心者が上級者コースに挑むことほど、危険なことはないのです。
初心者なら、素直に初心者コースを選びましょう。
無理をしないことが大切です。
初心者向けのコースでたくさん滑って、基本をしっかり身につけましょう。
初心者コースに慣れてくれば、次に中級者コースです。
中級者コースに慣れて、ようやく上級者コースという順番です。
スキーに限りません。
登山でもハイキングでも同じことがいえます。
自然を相手にしたアクティビティーを軽く見ると、しっぺ返しを食らいます。
自分の身のため、安全のためです。
初心者は、素直に初心者コースから練習していくのが、上達の近道です。