レストランで気になるセリフを耳にすることがあります。
ウエイターが「お飲み物はいかがなさいますか」と尋ねた際「水でいいです」と答える人がいます。
ときどき聞かれるセリフですが、ここに違和感を覚えるかどうかです。
注意したい言葉遣いの1つです。
本人に悪気はないのはわかります。
飲み物は、無料の水で済ませたいのでしょう。
ドリンクを注文すると、別料金がかかります。
「わざわざ別途ドリンクを注文するほどでもありません。水で十分です」という意味なのはわかります。
しかし、そうだとしても「水でいいです」という言い方には違和感があります。
少々雑に聞こえるのです。
ささいな一言に、水に対する考え方が垣間見えます。
「水はありふれたもの」「水にお金は出さない」「水なんて別に何でもない」と言わんばかりの一言です。
水を無価値として見ているような響きがあります。
水を粗末に扱っているようなニュアンスがあります。
水へのリスペクトが感じられないのです。
水は無価値ではありません。
水は貴重です。
水はありふれたものと思う人もいるかもしれませんが、世界では水不足で苦しんでいる人がいます。
水がないと、人は生きていけません。
今や水は有料で売られている時代です。
将来、世界で水の争奪戦が起こる可能性があると言われています。
「水でいいです」という言い方は、水に対して失礼です。
では、どう言えばいいのでしょうか。
「お水をお願いします」と言えばいいのです。
シンプルな一言で注文します。
余計な飾りは不要です。
シンプルな一言だからこそ、すっきりした印象になります。
もしくは「お水をいただけますでしょうか」という言い方もおすすめです。
疑問形で終わる言い方をすると、柔らかい印象となります。
水へのリスペクトを表現することです。
「水でいいです」ではなく「お水をお願いします」と答えるほうが、丁寧で上品です。
お店の人は、笑顔で水を持ってきてくれるのです。