「上司に雑用しか任せてもらえません」と嘆く新人がいます。
掃除、コピー取り、お茶くみ、電話対応、資料整理。
たしかに誰でもできるような雑用ばかりさせられていると、不満を覚えるところでしょう。
自分に期待されていないかのような印象を受けます。
「私は雑用をするために会社に入ったわけではない!」と思うのも無理はないように思われます。
これは少し誤解しています。
そもそも新人の場合、最初は雑用しか任されません。
雑用が、何週間・何カ月と続くこともよくあります。
上司は、その人がどのくらい仕事の力量があるのかまだわかりません。
どれだけ責任があり、どれだけ真面目に働くかもわかりません。
いきなり大きな仕事を任せるのは不安があるため、最初は雑用を任せます。
あまり責任が重くない、失敗してもやり直しが利くような、軽微な内容の仕事です。
上司は、雑用を依頼することで、その人の仕事態度を見ています。
「どれだけ仕事が速いのか」「どれだけきちんと仕事をこなしてくれるのか」など、雑用を通してつぶさに観察しているのです。
「雑用しか任せてもらえない」と文句を言う暇があるなら、その雑用をしっかりこなすことです。
できるだけ100点の結果を目指していきましょう。
普通の結果や最低限の結果で満足するのはよくありません。
雑用であっても手を抜かず、これでもかと言うほど素晴らしく仕上げてください。
ベストを尽くし、できるだけ100点を目指して仕上げることが大切です。
そして願わくは「100点を超える結果」を目指したい。
学校では100点という上限が決まっていますが、社会では上限がなく、100点を超える点数が存在します。
しっかり仕事をこなしたうえで、プラスアルファの工夫やアイデアを心がけたい。
掃除を依頼されたら、丁寧な掃除に加え、ごみ出しも行います。
コピー取りを依頼されたら、きれいにコピーを取るだけでなく、ページ順に整えたうえで提出します。
お茶くみを依頼されたら、丁寧にお茶を出すだけでなく、お菓子も添えます。
電話対応を依頼されたら、丁寧な受け答えだけでなく、社内全体で活用できる電話メモのテンプレートを作成します。
資料整理を依頼されたら、きちんと資料整理をしたうえで、ラベリングの工夫を加えます。
これが「期待を超える仕事」です。
ここまでやれば、上司から仕事の力量を認められます。
仕事の力量を認めてもらえるだけでなく、プラスアルファの工夫やアイデアにも感心されるでしょう。
単なる雑用でも、上司を感動させることは可能です。
「この人に雑用ばかり任せるのはもったいない。もっとふさわしい仕事がある」という判断になります。
雑用以上の仕事を任せてもらえるようになるのです。