うまくいかなかったとき、思い出してほしい言葉があります。
中国の故事「人間万事塞翁が馬」です。
昔々中国のあるところに、老人(塞翁)が住んでいました。
ある日のこと、その老人が飼っていた馬が逃げてしまいました。
大切な馬を失って落ち込んでいたところ、数カ月後、立派な馬を連れて戻って来ました。
元の馬が戻ってくるだけでなく立派な馬まで手に入り、思わぬ収穫に大喜びです。
老人の息子がその馬に乗っていたところ、今度は馬から落ちて、足を折ってしまいます。
ところが、そのおかげで兵役を免れ、命拾いができました。
結果として、親子が幸せに生きながらえたという故事です。
最初の災いが、巡り巡って、最終的には幸福な結果につながったということです。
これは、私たちの人生でも起こり得ることです。
人生は、変数にあふれた不確かな世界です。
何が幸福につながり、何が不幸につながるかわかりません。
事故、事件、病気、災害、失敗。
悪い出来事は、本当に悪い出来事とは限りません。
そのときは悪い出来事に思えても、まだ確定したわけではない。
長期的に見ると、結果が変わってくることがあります。
諦めたり別の道に進んだりすることで新たな光が差し込み、最終的に良い結果をもたらすことがあるのです。
受験や就職活動に失敗したからといって、悪い未来につながるとは限りません。
別に道に進むことで天職が見つかり、最終的に良い結果をもたらすかもしれません。
失恋したからといって悪い出来事とは限りません。
フリーになることで運命の出会いに恵まれ、最高のパートナーが得られるかもしれません。
自宅が火事になったからといって悪い未来につながるとは限りません。
手に入れた保険金で立派な家を建てた結果、以前より豊かな生活が手に入るかもしれません。
悪い出来事やうまくいかなかったときがあれば「人間万事塞翁が馬」という言葉を思い出してください。
仕方なく別の道に進むことになっても、そのおかげで良い未来につながる可能性があります。
前向きに考え、未来に期待や希望を持ちましょう。
「うまくいかなかった。でも、このおかげでもっと良い未来につながるかもしれない」と。
そうすれば、悪い出来事があっても、落ち込むことはありません。
むしろわくわくできるようになります。
今の不幸は、未来の幸福につながるきっかけなのです。