落ち込んでいる人がいると「励まさなければいけない」と考えがちです。
わが子が落ち込んでいれば、親として励ましたいと思うでしょう。
友人や恋人が落ち込んでいれば、励ましや応援の声をかけてあげたいと思うでしょう。
落ち込んでいる人が大切な人であればあるほど、ほうってはおけず、何か声をかけ、励ましたくなるものです。
励ましの声をかけることで、相手は心が救われ、元気を取り戻していけます。
献身的な励ましによって、立ち直りが早くなることも少なくありません。
大切な人のために、親・友人・恋人として、励ましの言葉をかけたいと思うのは自然なことです。
優しいあなたであれば、何か前向きな言葉をかけ、相手の心を救いたいと思うでしょう。
ところが、励ましたくても、ぱっと良い言葉が浮かばないときがあります。
励ましの言葉は、簡単なようで難しい。
気の利いた一言を言いたいが、まったく思い浮かばない。
言葉の選び方によっては、余計に落ち込ませたり傷つかせてしまったりすることがあります。
無理に言葉をひねり出すと、余計なことを言ってしまう恐れがあります。
相手を励ますつもりが、かえって傷つけたり落ち込ませたりするかもしれません。
特に相手の心中を察するのが難しいときは、どう声をかけていいかわからず、言葉に詰まります。
そんなときはどうするか。
「言葉」ではなく「態度」で励ませばいいのです。
声をかけなくていい。
無理に言葉をひねり出さなくていい。
その代わり「優しい態度」で接していきましょう。
励ますとき、言葉はなくても、態度を通してできることがあります。
たとえば、温かい飲み物を差し出したり、手料理を振る舞ったり、聞き役に徹したりです。
ひたすらそばに付き添うだけでもかまいません。
状況によっては、あえて距離を置いたり、そっと1人にさせたりすることも大切です。
無視をしているように思うかもしれませんが、そうではありません。
無視をしているわけでも放置をしているわけでもなく、相手に対する気持ちは持ち続けています。
声をかけていなくても、きちんと遠くから相手を気にかけています。
励ましの言葉が浮かばないときは、優しい態度を見せるのがベストです。
「あなたを大切に思っています」「早く元気を出してください」というメッセージが伝わっていればいい。
理解のある態度や相手を思う気持ちは、言葉を発しなくてもきちんと相手に伝わります。
相手は心の中で「ありがとう」と喜んでくれるでしょう。
優しい態度を見せるだけでも、相手を励まし、応援していることになります。
励ますために、言葉が必要とは限りません。
優しい態度でも、励ましていくことは十分できます。
優しい態度を見せることも、励ましの1つです。