野球で負けたとき、バットに当たる人がいます。
ゴルフでミスをしたとき、クラブを地面に叩きつける人がいます。
テニスで試合に負けたとき、ラケットをコートに叩きつける人がいます。
破壊行為に見えてしまうことも少なくありません。
残念ですが、こういう人は「本当のプロ」ではありません。
「実力だけプロ」の人です。
ペナルティーはないかもしれませんが、マナーとしては最悪です。
これはスポーツマンシップに反します。
実力はトップクラスで、大会で輝かしい成績を残しているかもしれませんが、見る人に不快感を与える行為です。
投げたバット・クラブ・ラケットが観客に当たって、けがをさせてしまう可能性もゼロではありません。
プロにはファンとスポンサーがいます。
「自分がどう見られているか」を気にしなければいけない立場であるため、見る人に不快感を与えない振る舞いが求められます。
そして、お手本とも言える振る舞いが求められます。
クラブもバットもラケットも、自分の商売道具であり、大切なパートナーです。
「自分の分身」とも言える存在に八つ当たりするのは、大切だと思う気持ちが弱く、軽視している証拠です。
その人が「道具を愛用している」と言っていても、八つ当たり行為が見受けられるなら、真っ赤なうそということになります。
心の中では「しょせん消耗品」と思っているはずです。
プロは、多くの子どもたちの夢と憧れを背負っています。
道具に八つ当たりする姿を見せると、悪い教育になってしまい、子どもたちは幻滅します。
本当のプロは、結果を出せなくても、道具に八つ当たりしません。
ミスをしても、胸を張ります。
試合に負けても、観客に向かってお辞儀をします。
結果を出せなくても、余計な言い訳はせず、素直に負けを認めます。
どんな状況であっても、最後まで冷静を貫き、マナーを忘れることはありません。
本当のプロは、たとえ負けでも、見る人に不快感を与えず、好印象を与えます。
多くの人から注目されていることをよく理解しているので、お手本としての振る舞いを心がけます。
本当のプロは、プレイのコントロールだけでなく、言動や感情のコントロールも一流です。
これが本当のプロなのです。