重要な判断を下すとき、とにかく時間をかけたがる人がいます。
「即断即決をしてはいけない」
「時間を置いて考える必要がある」
「たっぷり時間をかけないといけない」
慎重なセリフがよく聞かれます。
すぐ結論を出すのは良くないと考え、できるだけ時間をかけようとします。
もちろん時間をかけることが悪いわけではありません。
むしろ適切で賢明なことです。
安易な判断は後悔を生むリスクがあります。
重要なことであればあるほど、労を惜しまず、たっぷり時間をかけることが大切です。
「熱くなった頭を冷やす」「一時的な感情に流されない」という意味もあります。
お金や責任が関わるようなことであれば、考えることが広範囲に及ぶため、判断を下すのに時間がかかります。
それが人生を左右するような判断であればなおさらです。
しかし、時間をかけるのはいいのですが、ここでよく陥りがちな落とし穴があります。
時間をかけることが大切と思うあまり、いつの間にか時間をかけることが目的となっていることがあるのです。
誤解されがちなことですが、時間をかけた判断だからといって正しいとは限りません。
時間をかけても、判断を誤ることもあります。
望んだ結果が出ないこともあります。
時間をかけて考えたことにもかかわらず「こんなはずではなかった」という結果になるのはよくあること。
時間をかけることには、別のリスクも潜んでいます。
時間をかければかけるほど「やっぱりやめておこう」という消極的思考が発生しやすくなります。
時間をかけるにつれて、リスク回避の選択を優先するようになり、新しいアクションの足かせとなるのです。
判断で大切なのは「時間をかけること」ではありません。
あくまで「熟考」です。
時間をかけることではなく、熟考に重点を置いてください。
細部まで考えを巡らせたり、さまざまなパターンを考えたりなど、じっくり突き詰めて考えることが欠かせません。
じっくり考え抜いたことであれば、良い結果がついてくるでしょう。
良い結果が得られなくても、後悔は小さくて済みます。
きちんと熟考ができているなら、さほど時間をかける必要はありません。
単純明快なことや、以前から決意を固めていることであれば、短時間で結論を下せるでしょう。
即断即決だからといって、間違っているとも限らないのです。
場合によっては、失敗したほうが良いケースもあります。
実際に取り組んでみないとわからないこともあります。
失敗をしてわかることもたくさんあります。
すぐ取り組めば、フィードバックが得られ、次のアクションにつながります。
悪い結果が返ってくれば、すぐ軌道修正すればいいこと。
これ以上は無理だと思えば、中断です。
残念ながら、どんなに時間をかけても、100パーセント失敗を避ける方法はありません。
100パーセント失敗を避ける方法はないのですから、ある程度のリスクは許容し、ゴーサインを出すことが賢明なのです。