会社では、ブレーンストーミングでアイデアを出し合う場面があります。
「三人寄れば文殊の知恵」という格言があるように、集団でアイデアを出し合えば、より良いアイデアが出る確率もアップします。
このときリーダーは、立派なアイデアを出したくなるかもしれません。
リーダーらしく、周りのお手本となるよう、立派なアイデアを出すのが当然を考えがちです。
ここに注意があります。
最初に立派なアイデアを出すと、周りの人は「このくらい立派なアイデアを出さなければいけないのか」と感じます。
リーダーのような立派なアイデアを出さなければいけない空気が広がります。
後に続く人はプレッシャーを感じて、アイデアが浮かんでも手を上げにくくなるのです。
リーダーの役目の1つは、真っ先にくだらないアイデアを出すことです。
ブレーンストーミングでアイデアを出し合う場面では、まずリーダーがくだらないアイデアを発表してください。
平然とした表情で、ホワイトボードの1行目にくだらないアイデアを書きます。
笑ってしまうようなばかばかしいアイデアでもかまいません。
かっこつけるのではなく、むしろかっこつけないほうがいい。
もちろん誰でも思いつくような陳腐なアイデアでもOKです。
たとえ立派なアイデアが出たとしても、あえて最初に出すのは控えて、まずくだらないアイデアから出しましょう。
すると、場の空気が良くなります。
部下たちは「この程度のアイデアでもいいのか。それなら私も!」という空気が広がり、手を上げやすくなります。
ブレーンストーミングの場面では、できるだけアイデアを発表しやすい空気を作ることが大切です。
どんどん良い流れが生まれ、アイデアが花火のように打ち上がっていくのです。