ときどき質問を質問で返す人がいます。
「失礼ですが、今、何歳なんですか?」
「いくつに見えますか?」
「食事に行きましょう。今、何が食べたいですか?」
「あなたは何が食べたい?」
「○○さんはどう思われますか?」
「××さんはどう思われますか?」
聞かれた質問に答えないまま、質問を返します。
日常会話でときどき見られるやりとりですね。
何気なく口にすることもあるかもしれませんが、質問を質問で返すのは思わぬ悪印象につながることがあるため注意が必要です。
もちろん質問を質問で返すことが一律にすべて悪いわけではありません。
質問が抽象的なときであればいいのです。
質問が曖昧でわかりにくいときは、きちんと答えられません。
1回で理解できなくて、質問を明確にするために聞き返すのなら、相手に悪印象を与えることはありません。
思慮深い回答を導き出したいケースも許容されます。
契約や法律関係に関わる場合、曖昧に答えるわけにはいきません。
慎重に考えたうえで答えなければいけないケースでは、補足情報や詳しい条件を求めるなど、質問を質問で返すケースがあります。
質問を質問で返すことが許容されるケースがあるのも事実です。
しかし、こうした合理的なケースを除き、質問を質問で返すのは、あまり良い作法ではないと考えてください。
質問を質問で返すと「質問から逃げた」「論点をずらした」「話の腰を折った」などの悪印象を与える可能性があります。
上司からの質問に質問で返すと、むっとされるでしょう。
お客さまや取引先からの質問に質問で返すと、契約は取れないでしょう。
面接で質問返しをすると、面接官は心証を害し、評価に悪影響を与える可能性があります。
質問に質問で返すことが癖になっていると、思わぬマイナス影響を及ぼすことが少なくありません。
悪気はなくても、相手から感じが悪いと思われ、思わぬ反感を買う恐れがあるのです。
口癖になっているなら十分注意してください。
必要なケースもありますが、質問を質問で返すのは、できるだけ控えておくのがベターです。
自分の口癖を振り返り、心当たりがある人は、直しておくことをおすすめします。
では、質問返しときはどうすればいいのでしょうか。
相手に質問を返したいなら、自分が答えてから聞くようにしましょう。
自分が答えた後に「あなたはどう?」と聞くのであれば、悪印象を与えることはありません。
「私が答えたから次はあなたの番」という自然な流れになるので、相手は快く答えてくれるのです。