「頭がいいね」
試験で高得点を取った人に対してよく使われる褒め言葉です。
あなたも試験で高得点を取った人がいれば「頭がいいね」と褒めることがあるでしょう。
日常でよく耳にする言葉であり、誰が聞いても褒めていることは明らかです。
特別な言葉でも何でもないように思えますが、ここに注意ポイントがあります。
「頭がいいね」という褒め言葉には注意が必要です。
今までの常識を覆すようですが、褒め言葉になるとは限りません。
言う側に悪気はないのでしょうが、言われる側にとってはもやもやした感覚を覚えます。
「褒めてくれるのは嬉しいけど、ちょっと違うんだよなあ」と首をかしげ、すっきりしない表情をするでしょう。
「どこがいけないの?」と思いますが、言われた側に立てばわかります。
「頭がいいね」というセリフを聞くと、簡単に高得点を取れたように聞こえます。
生まれつき優れた脳を持っていると言わんばかりの印象があります。
ちょっと勉強するだけですいすい知識が入り、あっさり博識になったようなニュアンスがあります。
そうではないのです。
なぜその人は高得点なのか。
頭がいいからではありません。
勉強したからです。
その人は、普通の人よりたくさん勉強しました。
一生懸命勉強して、学ぶことに多くの時間を費やしました。
勉強したから知識が身につき、難しい問題にも解答でき、結果として高得点が得られました。
もちろんもともと記憶力が高かったり頭の回転が速かったりする影響もあるでしょう。
しかし、生まれつきの素質は微々たる違いです。
記憶力や吸収力は先天的であっても、勉強の結果は後天的なものです。
知識の習得は、後天的な努力でどこまでも高めていけます。
その人は、ゲームやテレビ視聴の時間を減らして勉強していたでしょう。
周りの人が遊んでいるとき、机に向かって勉強していたに違いありません。
時には睡眠時間を削って勉強していたこともあるかもしれません。
まさに努力のたまものです。
膨大な勉強を重ねた結果です。
ここに気づくことが大切です。
試験で高得点を取った人には、どう褒めればいいのか。
「すごい努力ですね」「勉強を頑張ったのですね」といった言葉で褒めるのが適切です。
陰の努力に着目して、そこを褒めたたえましょう。
相手は目を輝かせ「そうそう、そのとおり!」という顔で喜んでくれるはずです。
とっさに言葉が浮かばなければ「すごい!」「素晴らしい!」の一言でもかまいません。
「すごい!」「素晴らしい!」は、すべてをたたえる万能の褒め言葉です。
試験で高得点を取れたのは勉強をしたからです。
高得点は、運でも才能でも何でもなく、たくさん勉強して頑張った結果です。
頭の良さではなく、努力の姿勢をたたえることが大切です。